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本仏仕立 は略仏仕立の2倍の手間がかかる!!
弊社の仏表装では仕立を 略仏仕立 と 本仏仕立 に分けております。
文字通り 本仏仕立 は本式の仏表装、略仏仕立はそれを簡素化した仏表装になります。
仏表装は一番外側の廻っている裂地の「外廻し」、内側の廻っている裂地の「中廻し」、本紙の一番近い部分に取り付けられる「一文字」という部分に大別されます。
本仏仕立は「中廻し」の内側と外側に細い筋を廻し、一文字があるのが特徴です。
下の写真の右側の写真( 本仏仕立 )の中廻しの内側の紺の筋と外側の白い筋です。
表装はその仕立方により格式を表現します。
ざっくり簡単に言いますとどれだけ手間をかけたかという事でそのランクが決まってくるということです。
本仏仕立は一文字と筋廻しの手間をかけた本式の仏表装、略仏仕立は一文字無し、筋廻し無しの簡略化した仏表装という事です。
ちなみに略仏仕立と本仏仕立にどれくらい手間の差があるかは取り付けられる裂地のパーツ数からだけでもわかります。
略仏仕立 の場合
本紙の周りに中廻しが取り付けられ、その周りに外廻しが取り付けられますので中廻し・外廻しの上下左右のパーツ4つずつ=8つのパーツと風帯の2つを加えた10個のパーツで組みあがります。
本仏仕立 の場合
本紙の上下に一文字が取り付けられ、その状態で中廻しの内側になる筋廻しが取り付けられます。その後、中廻しが取り付けられその外側に再び筋廻しが取り付けられ、最後に外廻しが取り付けられます。なので本仏仕立は一文字=2つ、筋廻し(内側)=4つ、中廻し=4つ、筋廻し(外側)=4つ、外廻し=4つ、風帯=2つなので2+4+4+4+4+2=20個のパーツから成り立っています。
略仏仕立 10個 vs 本仏仕立 20個
2倍のパーツが使われているのですね。単純に倍の手間がかかっているという事です。簡単そうに見える見た目の違いですが、実はその裏には美にこだわる職人の惜しみない手間隙がかけられているのです。
よく言われるのは「廻し」が最初から一体化したひとつのパーツだと思っている方が多いのですが、本紙にあわせて上の部分、下の部分、左の部分、右の部分と順番に取り付ける事により廻っているように一体化して見えるのです。ですので「廻し」とは合計4つのパーツから成り立っています。これは筋廻しでも同じです。
本仏仕立のパーツの数についてはこちらの動画でより詳しく説明しておりますのでよろしかったらご覧ください。(動画では風帯を含めていないので18個と説明しております。)付け回しの様子なども詳しく解説しているのでわかりやすくなっております。