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青龍寺 : 弘法大師修行の地 | 西安旅行記
掛軸の仕事をしていると色々な見聞をひろめる事はとても大切です。仏教などの知識も含めて色々知っておいて損はありません。
そんな訳で2018年のGWを利用して中国の西安に行ってまいりました。(実は中国旅行は生まれて初めて)
中国ってやはり歴史が深いですね。文化の厚みが違うというか非常にバラエティに富んでいます。
色々と巡ってきたのですが今回はその中で弘法大師・空海が中国で修行をした際の寺院である青龍寺についてご紹介させていただきたいと思います。
青龍寺
青龍寺は西安市街から南の郊外に位置し、中心地からだとタクシーで20~30分といった所。(渋滞に巻き込まれたので正確にはもう少し早くつくかもしれませんが)
寺院に到着するとなかなか立派な門構えで迎えてくれました。
空海は唐の時代に中国にわたり、まず三蔵法師に師事し、密教を学ぶ為の梵語に磨きをかけ、その後この青龍寺の恵果和尚を訪ねて弟子入りしたそうです。
恵果和尚は空海を初めて見ると
「こやつ…出来る…。さては相当の修行を既に積んできたな。」
と感じ、基礎編、応用編をすっとばしていきなり奥義の伝授からスタートしたそうです。(空海すごすぎですね)
1982年に日本の四国から寄贈された空海記念碑、恵果・空海記念堂が建ちます。すごいですね。1,200年前のたった一人の日本人の繋がりがここまで続いているとは改めて空海の偉大さを感じます。
四国八十八ヶ所 0番札所!?
四国八十八ヶ所(お遍路さん)を巡られる方も多くいらっしゃると思いますが、実は0番札所があるのをご存知でしょうか?しかも国外。
そう、何を隠そうこの青龍寺こそが四国八十八ヶ所の0番札所なんです。
先ほど写真でご紹介させていただいた空海記念碑が建てられた1982年に元四国霊場会会長・蓮生善隆(善通寺法主)により0番札所と位置づけられたようです。
ちゃんと納経帳にもご集印をしてくださいます。これは貴重ですね。
怪物・空海
恵果和尚にその才を初見で感じさせた空海は、その期待以上のすさまじいスピードで奥義を習得していき、伝法阿闍梨位の灌頂を受け、「この世の一切を遍く照らす最上の者」(=大日如来)を意味する「遍照金剛(へんじょうこんごう)」の灌頂名を与えられました。この名は後世、空海を尊崇するご宝号として唱えられるようになりました。(南無大師遍照金剛)
そしてついに恵果和尚から阿闍梨付嘱物を授けられる。伝法の印信といい、密教で師僧が秘法を伝授した証拠として弟子に書状を授与する事。要するに免許皆伝です。
修行開始からわずか3ケ月…(マジかよ…)
この時に恵果和尚から空海がいただいた様々な物は今も日本に数点現存しているそうです。当然国宝です。
下の写真が恵果・空海紀念堂。堂内には空海と恵果の像が並べられています。恵果和尚は怪物・空海との出会いをどのように感じていたかを想像すると色々な楽しみ方が出来ますね。
お寺の至る所で見られる赤いリボンのようなものは祈願成就の札だとか。日本で言う七夕のようなものでしょうか?(すごい数でした。)
その他にも見所や発見がたくさんありました。
中国で密教を学び、日本で真言宗を開いた空海。
真言宗の人のみに限らず多くの人々に今なお親しまれている日本が生んだ偉人です。
青龍寺はそんな空海の息吹を今でも感じる事が出来る寺院。西安にご旅行の際にはぜひお立ち寄りください。
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