多々見靖夫はユニークな画題と独特の色彩が人気の日本画家兼洋画家である。風景画、花鳥画、人物画など幅広いジャンルの作品を多く残した。本作品は二匹の鯉を描いた作品であるがこの赤褐色が彼ならではの特徴的な色彩である。鯉の表情をみると非常に生き生きとしており、鯉の力強さを感じる事が出来る。二匹の鯉の大きさのコントラストにより、画面に奥行きを感じる事が出来、尚一層のびのびと泳いでいる感じが伝わってくるのも面白い。