家の掃除をしていたらご先祖様の大切にしていた掛軸が…

今回は掛軸の仕立替のお話。

 

弊社には掛軸の仕立てをご依頼されるお客様が多くいらっしゃいますが事情やきっかけはさまざま。

 

お気に入りの掛軸が傷んできたので仕立替して欲しいという要望やご先祖様が大切にしてきた掛軸を自分も大切にして後世にも伝えていきたいなど。

 

今回のお客様は家を整理していたら祖父が大切にしていた掛軸が大量に出てきたのでそれらをしっかりと直して飾れるようにしたいというご要望でした。

 

5点のご依頼だったのですが確かにどれも傷んでいてそのままでは飾れない状態です。

 

大切に後世に受け継いでいくのにこのままの状態では後世の人も困っちゃいますね。

 

なのでその修理、仕立替をお受けさせていただきました。


①松に鶴

 

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「松に鶴」の作品ですが、表装の上部が虫に食われちゃってますね・・・(汗)

 

 

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全体的にも折れジワが結構出てきています。

 

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特に作品上部の折れは目立ちますね。

 

 

 

②書(大和物語の一部)

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変わった和紙に書かれている書の作品。これは書付が存在し、有名なお寺のお坊さんに書いてもらった書のようです。

 

 

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ところどころ作品に欠落があるのが良く見るとわかります。白く色が変わってしまっている部分です。「呉竹」の右横あたりのような部分です。折れジワも結構出てきてしまっています。作品の和紙自体が硬く分厚いものなのでそれが原因になっているかと思われます。たとえ表装し直しても和紙自体が硬いので同じ結果になる可能性が高かったので太巻仕様で仕立替することをご提案いたしました。太巻については下記をご参照ください。

 

二重箱・太巻

 

 

 

 

③恵比須

 

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鯛を釣る恵比寿さんのお軸。縁起が良さそうな作品ですね。七福神の一神。お客様の一番気に入っている作品らしいのですがこちらも随分とくたびれてしまっていますね・・・(泣)

 

 

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汚れやシワが目立ちます。

 

 

 

④書(心随萬境轉)

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全体的に折れが目立ちます。そして軸先が、軸先が・・・!!!(泣)

 

 

 

⑤書(蓮華花)

 

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これが一番酷い汚れですね。特に左上のシミが・・・。きっちりとシミ抜をしたいところですが、作品の傷みが激しいので出来る所まで行い、多少シミ跡が残っても良いという了解を得てシミ抜きを行う事となりました。

 


 

さて、上記5点の仕立替ですが、お客様の想いをしっかりと受けとめ気合を入れて仕立替を行いました。

 

①松に鶴

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綺麗に仕立替されました。

 

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作品上部の折れも目立たなくなりました。

 

 

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鶴も活き活きとしていますね。

 

 

②書(大和物語の一部)

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作品の欠落・折れジワが完全に修復されています。元の裂地の色と似たような風合いの裂地を選び、太巻仕様にしたのでこれで保管も大丈夫です。

 

③恵比須

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お気に入りの一幅・・・綺麗に仕立替されました。

 

 

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汚れも折れジワも綺麗になりましたねぇ。作品に躍動感が戻りました。活き活きしてますね。

 

 

④書(心随萬境轉)

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折れジワもなくなり、風格が出ましたね。軸先も新調されたのでこれでまた飾る事が出来ます。

 

 

⑤書(蓮華花)

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随分と汚れが落ち、シミも抜けました。左上のシミ抜はこれ以上行うと作品の他の部分に影響が出てきてしまう恐れがあるのでここまでが限界でした。

 

 

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それでも全体的なシミや汚れは随分と落ちたので字が浮かび上がってきました。

 


 

さて、お客様にお渡しですがどれもものすごく喜んでいただきました。

「これでまた飾る事が出来るし、後世にも伝えていけます。ありがとうございました。」と嬉しいコメントもいただきました。

こういった声があると励みになります。嬉しいです。

 

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お気に入りの掛軸の出来上がりに満足していただき、その横で記念撮影。喜んでもらえて嬉しいです。

 

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仕立替にご満足くださり、新しいお仕事の依頼もしてくださいました。今年は四国八十八ヶ所は「逆打(ぎゃくうち)」の年なので巡る人も多いのですが、最近満願になられたそうでそちらの表装もお任せいただきました。嬉しすぎます。ありがとうございます。

 

お客様に喜んでいただき、また掛軸を後世に大切に伝えていっていただけるのは本当に嬉しい限りです。


お客様の四国八十八ヶ所もしっかりと表装させていただきました。

四国八十八ヶ所 飛龍

 

掛軸や表装のことでお困りの事がございましたら遠慮なしにご相談ください。

 

問い合わせ

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あなたと掛軸との懸け橋になりたい


掛軸は主人が来客に対して季節や行事などに応じて最も相応しいものを飾り、おもてなしをする為の道具です。ゲストは飾られている掛軸を見て主人のおもてなしの気持ちを察して心を動かす。決して直接的な言葉や趣向ではなく、日本人らしく静かにさりげなく相手に対しておもてなしのメッセージをおくり、心をかよわせる日本の伝統文化です。

その場に最もふさわしい芸術品を飾り、凛とした空間をつくりあげる事に美を見出す・・・この独特な文化は世界でも日本だけです。

日本人が誇るべき美意識が詰まった掛軸の文化をこれからも後世に伝えていきたいと我々は考えています。



代表取締役社長
野村 辰二

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会社概要

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商号
株式会社野村美術
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本社
〒655-0021
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TEL
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FAX
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創業
1973年
設立
1992年
資本金
1,000万円

事業内容

  • 掛軸製造全国卸販売
  • 日本画・洋画・各種額縁の全国販売
  • 掛軸表装・額装の全国対応
  • 芸術家の育成と、それに伴うマネージメント
  • 宣伝広告業務
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