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床の間 アルバム 001: 神戸吉兆、處中、四季花、四君子、四国八十八ヶ所
目次
床の間 & 掛軸 : 神戸吉兆 書
神戸を代表する高級日本料理店「神戸吉兆」の 床の間 。
背景の金箔の壁紙が豪華で作品を引き立てていますね。
横に添えられた華も風情があって素敵です。
床の間 & 掛軸 : 處中(しょちゅう)
壁に障子窓が据え付けられているオシャレな 床の間 ですね。
こういう設えがあるだけでぐっと空間が引き締まります。
斜めに添えられた椿の花のバランスが絶妙です。
床の間 & 掛軸 : 四季花
「間(けん)」とは寸法の単位。尺貫法になります。掛軸の世界では通常尺貫法が用いられます。1間は6尺なのでだいたい180cmくらい。畳の長辺と同じくらいになります。床の広さを表すのに「1間床(いっけんどこ)」「半間床(はんげんどこ)」「一間半の半分の広さ」などのように使われます。
写真は「半間床」であり、通常の床と比べたら半分の90cmくらいなので少し狭いですが最近の和室には多いです。今では 床の間 を和室に作らない家も増えてきたので半間でもきちんと掛軸を飾るスペースを設けてくれているのは掛軸を扱う者としては嬉しいですね。半間でもきちんと掛軸を飾れば和室に彩りが生まれます。半間で飾れる掛軸は尺五サイズくらいまでが収まりが良いかと個人的には思います。(尺八サイズ掛ける人もいますけどね。)
写真では四季花の掛軸が飾られていますが華やかな雰囲気が素敵ですね~。四季花についてはこちらの動画で詳しく解説しておりますのでよろしかったらどうぞ。
床の間 & 掛軸 : 四君子 / 仏間額 無量寿
百花の王様が牡丹であるのに対して4つの草木の王子様を四君子(しくんし)と言います。梅・竹・蘭・菊です。それぞれの気品の高い美しさから、中国宋代より東洋画の画題としてよく用いられ、春は蘭、夏は竹、秋は菊、冬は梅と、四季を通じての題材とされています。四季花と似たような特徴のある画題ですね。また、これら4つの草木を描くにあたって基本的な筆遣いを全て学べるため、書を学ぶ場合の永字八法と同じように、画法を学ぶ重要な素材となっていたそうです。写真では墨で描かれたしぶ~い水墨画の四君子が床の間に飾られています。竹がまっすぐに伸びる様を描いているのが遠目で見ても特徴的ですね。
四君子の説明については下記の動画でもご説明しておりますのでよろしかったらご覧ください。
横の立派な金仏壇も豪華です。仏壇の上に飾られている「無量寿(むりょうじゅ)」は仏間額と言われており浄土宗・浄土真宗の仏間に飾られます。意味や役割は基本的には南無阿弥陀仏と同じです。「無量」とは「量る事が出来ない」という意味から「果てしない、永遠」という意味を表し、「寿」は「寿命」を表します。また「寿」は「慈悲の心」をも表すとも仏教では言われています。つまり「無量寿」とは「永遠の寿命と果てしない慈悲の心で衆生を救う仏である阿弥陀如来」を表します。なので南無阿弥陀仏と同じく阿弥陀如来に帰依するという意味合いで浄土宗、浄土真宗の仏壇の上に「無量寿」という仏間額が飾られます。単純に「南無阿弥陀仏」という横長の額を飾っても同じ事なんでしょうが、横・・・でかくなりすぎてバランス悪いからね(汗)。よく仏壇の上にご先祖さまの遺影を飾られている家を見かけますが諸説によりこれはあまり良くないそうです。一説にはご先祖様は決して拝む対象ではなく、拝む対象は本尊である阿弥陀如来であるからという理由。また仏壇の中にあるご本尊を遺影を置くことで踏みつけているという風に見られるなどと考えられる場合もあるようです…なるほどな~。色々な解釈があるんですね。なのでご先祖様の遺影は仏壇の横に飾り、仏壇の上には本尊を表す「無量寿」がふさわしいと信じられています。
床の間 & 掛軸 : 四国八十八ヶ所 本金蓮華
四国八十八ヶ所を弊社の佛表装パターンNO12の本金蓮華で仕立てて飾りました。関西では西国三十三ヶ所と四国八十八ヶ所は二大霊場として人気があります。
写真は四国八十八ヶ所の霊場集印軸を飾った 床の間 です。
なんというか…人それぞれなのですがなかなかにぎやかな置物群ですね(笑)松竹梅に布袋に木彫りの熊に打ち出の小槌…これもまた一興かと思います。
弊社の佛表装のパターンは下記をご参照ください。
http://nomurakakejiku.jp/blog/post-5720.html
四国八十八ヶ所の納経軸掛軸表装についてより詳しく以下の動画で紹介しておりますので宜しかったらご覧ください。