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床の間 アルバム 007: 桜、瀑布、漢詩、梶谷宗忍、遊鯉図
目次
床の間 & 掛軸 : 桜
桜の掛軸が春を感じさせてくれます。
描かれている鳥はエナガ。
床の間 に設えられた青い明かり窓が趣を出していますね。
床の間 & 掛軸 : 中川幸彦 瀑布
中川幸彦 は現代の日本画作家の中で幻想的な作風が大変人気の作家です。
牡丹、川蝉、瀧などが代表的な画題。
中川幸彦 は墨と胡粉で瀑布図を描く事が多いですが、本作品は敢えての彩色作品。
どちらにしても見応えのある素晴らしい作品です。
以前、中川幸彦の赤富士の別注作品をお客様よりオーダーいただき、弊社でお仕立てさせていただいた話を動画でまとめてありますのでよろしかったらこちらの動画もどうぞ。
床の間 & 掛軸 : 月落ち烏啼いて霜天に満つ
楓橋夜泊 張継
月落烏啼霜満天
江楓漁火対愁眠
姑蘇城外寒山寺
夜半鐘声到客船
月(つき)落(お)ち烏(からす)啼(な)いて霜(しも)天(てん)に満(み)つ
江楓(こうふう)漁火(ぎょか)愁眠(しゅうみん)に対(たい)す
姑蘇(こそ)城外(じょうがい)の寒山寺(かんざんじ)
夜半(やはん)の鐘声(しょうせい)客船(かくせん)に到(いた)る
月は西に傾き、烏の鳴き声も聞こえ、空一面に霜がおりそうな気配が満ち満ちている。
川沿いのかえでや村人の魚をとるいさり火が、
旅愁のためうつらうつらしている目にちらつく。
もう、夜明けかと思っていると、蘇州郊外の寒山寺から、
夜半をつげる鐘の音が、私の乗った船に響いてきた。
弊社で仕立替をさせていただいた作品です。
掛軸の修理修復工程をより詳しくご覧になられたい方は以下の動画で徹底解説しています。全4回に渡る長編の解説付の動画ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。
床の間 & 掛軸 : 梶谷宗忍
梶谷宗忍は臨済宗の僧。前・相国寺管長及び大通院(相國寺専門道場)住職。鹿苑寺(金閣寺)・慈照寺(銀閣寺)住職。大正3年(1914)大分県生。老師の諱は宗忍、道号は太拙、室号を止々庵。大津櫪堂の法を嗣ぐ。漢詩を能くする。
本作品は梶谷宗忍禅師と懇意であった亡き祖母が残してくれた作品との事。伸び伸びとした字体に躍動感を感じますね。
床の間 & 掛軸 : 遊鯉図
青柳の下を泳ぐ三匹の鯉の図。
弊社で仕立替をさせていただいた作品です。
一番下の鯉をぼやかして描く事により水の中での深さを表現しているのが面白いですね。
夏の頃に飾っていただきたい掛軸です。
掛軸の歴史について知りたい方はこちらの動画をどうぞ