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古い 衝立 作品を新たに額装に仕立替 | 三木市
三木市 ニュータウンエリア
兵庫県の三木市は緑豊かな田園風景のエリアと1970年代以降の京阪神ニュータウン開発時代に出来たニュータウンエリアに大きく分かれます。今回はニュータウンエリアにお住いのお客様から額装についてのご相談がHPよりございましたのでご自宅にお伺いさせていただきました。
お客様は昨年の秋にご自宅をリフォームされたのですがその際にお母様が学生時代に書かれた 衝立 作品が出てきたそうです。新しくリフォームしたご自宅は洋風な造りで 衝立 を飾る場所がない為、こちらの作品を額装にして飾りたいとのご要望でした。
確かに洋風な壁ですね。大きな額装になるので額の棹を通常の物より少し太いものにする事にし、棹の色と作品の周りの裂地をご選定いただきました。洋風な壁なので明るくて柄がきつくなり過ぎない優しい風合いの裂地にて仕立てる事にいたしました。
所々小さくですが穴が空いてしまっている部分があるのでこちらも仕立替の際に目立たないよう裏打でふさぎます。
表装オペレーション: 衝立 → 額装
今回の大まかな再表具のオペレーションの流れは以下です。
作品解体 (衝立の下地から作品を切り取る。)
↓
旧裏打紙を除去 (業界用語で「めくる」という作業) ↓
新しい和紙で裏打 (穴の補修も行う)
↓
新しい額に貼りこむ
↓
枠や金具などを取り付けて完成
旧裏打紙除去と新しい裏打の様子はこちらの動画をご参照ください。
新たに額装に仕立てた作品がこちらです。
今回は所々小さくですが破れている箇所がありましたので旧裏打紙を除去した後、新たに裏打をする事で作品表面が面一となり目立たなくなりました。新しい額装ではアクリルガラスで表面を保護しているので今後の破損は防げます。
納品
納品の際は壁が特殊なタイルの為、設置する事が出来ませんでしたが後日、工務店さんにレールを設置していただいたそうで立派に飾られた額の様子のお写真をいただきました。壁の色とマットの裂地の色、木目調の家具と木の額縁が絶妙にマッチしてますね。のびのびとした書が壁面を見事に装飾しています。お客様も大変喜んでくださり表具師としても感無量です。
併せて掛軸の仕立替もご依頼いただいており、そちらも飾った様子をお写真で頂戴いたしました。洋室で床の間ではないですが見事にマッチしています。こちらもまた長い間飾って楽しんでいただけます。
古く傷んでいた作品が今、こうして新たな命を吹き込まれ飾られて本当に嬉しく思います。この度は弊社に表装のご依頼をいただきまことにありがとうございました。
弊社は遠方への出張相談も受け付けております。三木市で表装にお困りの際は是非弊社にご相談下さい。
額装の仕立てに関してより詳しく以下の動画で解説しておりますので宜しかったらご覧ください。
和額の種類についてはこちらの動画で解説しておりますのでよろしかったらご覧ください。