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掛軸の表装修理依頼: 高砂 | 相生市
『 高砂 』(たかさご)は、能の作品の一つ。相生の松によせて夫婦愛と長寿を愛で、人世を言祝ぐ大変めでたい能です。
兵庫県の高砂市にある高砂神社の相生の松伝説を元にし、室町時代に世阿弥が書いたとされます。尉(じょう)・姥(うば)のモチーフは「高砂人形」と呼ばれる人形となり結納品のひとつとされたほか、一般におめでたい図柄として大衆化し、さまざまに使われています。
兵庫県の高砂市が発祥の地という事もあって特に播州地方では『じょうとんば』(『尉(じょう)と姥(うば)』が訛ったモノ)と呼ばれ親しまれています。
今回はそんな播州地方の西側、 相生市にお住いのお客様より 高砂 の掛軸修理のご依頼を受けました。
ご依頼いただいたのはこちらの掛軸。掛緒が切れてしまっている為、床に寝かせての撮影です。
作品自身にそれほど目立った汚れは付着してませんが長年の使用により巻きジワや表紙の折れが目立っています。
高砂 掛軸 表装修理 仕立替完了
前回の表装裂地と似たような風合いのモノを使用して仕立替を行いました。全体的に淡彩で描かれた作品であったので少しの巻きジワでも作品の見映えに影響を与えてしまってましたが、仕立替を行う事で綺麗に浮きたって見えるようになりました。今回は作品の洗浄は行いませんでしたが、仕立替の際には必ず水を使用する為、水洗いである程度の汚れが落ちました。
また床の間に飾って楽しんでいただけるようによみがえりました。
弊社は掛軸の修理に関する出張相談対応も行なっております。相生市にお住いの方で掛軸の修理でお困りの際は是非ご相談下さい。
掛軸の修理修復工程をより詳しくご覧になられたい方は以下の動画で徹底解説しています。全4回に渡る長編の解説付の動画ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。