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掛軸修理 シミ抜: 神社の神主の書 | 豊岡 市
弊社は遠方への出張対応もしております。兵庫県の奥の方まで行く事もあり、片道3時間程かかるので距離でいえば大阪〜京都〜滋賀くらいまで行けちゃいますね。奈良や和歌山が近く感じてしまいます(笑)
今回ご紹介するのはそんな兵庫県の奥地である但馬の豊岡からの 掛軸修理 ご依頼。
但馬の中でも奥地の方にお伺いしてまいりました。
お気に入りの卵かけご飯屋さんの「但熊(たんくま)」にてお昼を食べるのがひそかな楽しみです。とってもおいしくて有名なので皆さんも是非どうぞ。
さて、今回お伺いさせていただきましたのは以前にも弊社に額装をご依頼してくださったお客様です。
ご自宅にお伺し、応接室にお邪魔させていただくとしっかりと飾られていました。嬉しい…ありがとうございます(^^)
日足神社 掛軸修理 依頼
今回ご相談いただいた掛軸はこちら。
『日足神社』と書いて『ひたるじんじゃ』と読むらしくご近所の神社の神主さんに書いてもらった物らしいですが、随分とシミが出てしまっていますね。
右側に出来ている段々状態のシミは掛軸を巻いている状態で水が染み込んでしまった為に出来た物です。
さらに縦に流れるように発生しているシミは飾っている状態で水が染み込んでしまった為の物です。
今まで騙し騙し飾ってきたらしいですが、せっかくご縁があって書いていただいた物なので思い立った時に綺麗に修理しようと思い、このたび弊社にご相談下さいました。
表装オペレーション
今回の大まかな再表具のオペレーションの流れは以下です。
作品解体 (古い裂地や軸棒などを取り外していきます。)
↓
旧裏打紙を除去 (業界用語で「めくる」という作業)
↓
作品洗浄 (汚れ落とし)
↓
シミ抜き (洗浄では落ちないシミの除去)
↓
裂地選定
↓
再表具
今回の作品は洗浄だけでも随分と汚れは落ちたのですが細かい所で汚れが残っていた為、シミ抜も行いました。
汚れもほとんど無くなり見違えるように綺麗になりました。仕立替を行う前と後を見比べて下さい。
豊岡市に納品
お客様のお床に飾らせていただきました。ちなみに右の四国八十八ヶ所の掛軸も弊社の佛表装パターンNO15の「龍王」で軸装させていただいたものです。本当に弊社をいつもご贔屓にしてくださってありがとうございます。
床の間に飾るとお客様からは
『最初は汚れていたから落款があるのも気がつきませんでしたがこうやって綺麗になると落款の存在にも気がつきますなぁ。』
と喜んでいただけました。
汚れがなくなったので字がハッキリとし、床の間の中でも強い存在感を感じる事が出来るようになりましたね。表装裂地も床の間にスッと溶け込むような色合いで好評でした。
この度は弊社に修理のご依頼をいただきまことにありがとうございました。
弊社は遠方の方からの掛軸修理のご相談を承っております。是非ご利用ください。
掛軸のシミ抜き作業についてより詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。
掛軸の修理修復工程をより詳しくご覧になられたい方は以下の動画で徹底解説しています。全4回に渡る長編の解説付の動画ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。