朝来市 | 双鶴の掛軸修理(虫食い・穴あき)のご相談

竹田城 朝来市 雲海

朝来市 竹田城 bullets95 [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

兵庫県朝来市は但馬地方の南部に位置する地域。養父市と併せて地元の方は「南但エリア」と呼んでいます。(詳しい境界線はわかりませんが感覚的にこの二つの市付近の事を指しているように感じます。)最近では竹田城の雲海がとても美しく観光名所となり全国的に有名になりました。(2006年に日本城100選に選ばれてから徐々に人気が出だし、2012年には高倉健主演の映画のロケ地になるなどもあり順調に観光客は増加。決定的なのは2013年にGoogleのCMで竹田城が取り上げられた事により爆発的に観光客の増加につながった。)

私はまだ竹田城の雲海を見に行ったことはないのでいつか行ってみたいと思っています。(朝とても早く行かなければならないのでしっかりと計画を立てて臨まなければなりません。)

今回はそんな朝来市にお住まいのお客様から掛軸修理のご相談を承りました。今回お預かりした掛け軸はこちらです。

朝来市 掛軸 修理

夫婦の鶴が仲睦まじく描かれている作品です。作品自体にはそこまでの損傷はないのですが、表装の裂地の部分が虫に食われてしまっています。

虫食いというと小さな穴を想像される方もいらっしゃるかもしれませんが、掛軸は紙や絹、糊など虫が好む材料で作られていることもあり、ひどいものは巻いて収納している掛軸を貫通してしまうほどの虫食いを見た事もあります。

作品が虫食いの被害を受けていないのであるならば新しく仕立替をするだけで綺麗になるので比較的安価に費用を抑えられるのですが、作品に損傷が発生してしまっている場合はどうしてもその部分のみ仕立替をすると新しい裏打紙が穴から見えるような状態となり、不自然となってしまう為、お客様のご要望に応じて補彩を行うように弊社ではしています。しかし補彩は費用の面でどうしてもUPしてしまうのでなるべくなら補彩しないで良いように虫食いが起こらないような保管の仕方を心がける事が大切ですね。

今回のお客様は補彩なしのギリギリセーフの状態でしたので、新しい裂地をどうするかの話に焦点が絞れました。現状はコントラストの強い紺色の裂地で表装していましたがお客様とご相談させていただいた結果、せっかくのお祝いの掛軸なので明るいイメージになるような裂地にしてほしいという要望でしたので明るい裂地を選定いたしました。

新しく表装しなおした掛軸がこちらです。

朝来市 掛軸 修理

作品の地色に近い色合いの裂地を使用しましたので作品に広がりを感じる事が出来るようになったのがわかります。夫婦の鶴がくつろいでいる様子が鑑者にも伝わってくるようです。表装の裂地の色や柄というのは作品の印象を一気に変える力を持っているのでセンスが必要ですね。

弊社は遠方のお客様のご自宅にもお伺いして掛軸修理を承っております。虫食いなどで傷んでしまった掛軸の修理のご相談はぜひ弊社までお問い合わせください。

掛軸の修理修復工程をより詳しくご覧になられたい方は以下の動画で徹底解説しています。全4回に渡る長編の解説付の動画ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。

 

CEO Message

あなたと掛軸との懸け橋になりたい


掛軸は主人が来客に対して季節や行事などに応じて最も相応しいものを飾り、おもてなしをする為の道具です。ゲストは飾られている掛軸を見て主人のおもてなしの気持ちを察して心を動かす。決して直接的な言葉や趣向ではなく、日本人らしく静かにさりげなく相手に対しておもてなしのメッセージをおくり、心をかよわせる日本の伝統文化です。

その場に最もふさわしい芸術品を飾り、凛とした空間をつくりあげる事に美を見出す・・・この独特な文化は世界でも日本だけです。

日本人が誇るべき美意識が詰まった掛軸の文化をこれからも後世に伝えていきたいと我々は考えています。



代表取締役社長
野村 辰二

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会社概要

会社概要

商号
株式会社野村美術
代表取締役
野村辰二
本社
〒655-0021
兵庫県神戸市垂水区馬場通7-23
TEL
078-709-6688
FAX
078-705-0172
創業
1973年
設立
1992年
資本金
1,000万円

事業内容

  • 掛軸製造全国卸販売
  • 日本画・洋画・各種額縁の全国販売
  • 掛軸表装・額装の全国対応
  • 芸術家の育成と、それに伴うマネージメント
  • 宣伝広告業務
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