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狸 の掛軸: まくりを未表装のままで放置しないで | たつの市
狸 は昔から縁起の良い生き物として日本では親しまれてきました。お店の前に置かれている信楽焼の置物などが有名ですね。
『狸は縁起が良い』と言われる理由には諸説あるようですが一説には『他(た)を抜く(ぬく)。』という語呂から来ているようです。
日本画の画題としても身近な存在であった狸は昔からよく描かれています。
今回ご相談いただいたのはそんな狸が描かれた作品の掛軸仕立て依頼です。兵庫県たつの市にお住まいのお客様からご依頼を頂戴しました。
狸 のまくり
お腹のふくれた可愛らしいタヌキが描かれています。顔つきになんとも言えない愛嬌を感じますね。
掛軸の作品の事を『まくり』と言うのですが、表装せずにまくりのままで置いておくと折れやシワが発生したりシミなどが発生しやすくなります。破れるリスクも高まりますので出来る限り早い段階で裏打を行い、掛軸や額などの作品に仕立てることをお勧めいたします。
今回はまくりの状態が大変良い状態でしたのできれいな仕上がりで軸装出来ました。(本当に紙の状態が弱っていると薄くなってしまっていてシワを伸ばそうとしてもなかなか伸びず、無理に伸ばそうとすると破れてしまうので厄介です。出来るだけ早めに表装してください。)
こちらが今回軸装させていただいた作品です。
余白の多い作品でしたので作品全体に広がりを持たせるように作品の地色と同系色の裂地で表装させていただきました。
お客様も広い草原に狸がいる姿を想像出来たようで大変喜ばれていらっしゃいました。これから長い年月この掛軸を楽しんでいただければ弊社としても嬉しい限りです。
たつの市で掛軸表装でお困りの方は是非弊社までご相談ください。
掛軸の歴史について知りたい方はこちらの動画をどうぞ