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和額の種類について(平貼り・落とし額・クモ入り落とし額、クモ入り浮かし額)
和額には構造によっていくつかの種類がございますが一番大きな違いは平貼りとそれ以外の違いだと思います。
このページでは和額の構造の違いを種類ごとに説明したいと思います。
平貼り
「平貼り」とは字のごとく段差がなく平らに作品が貼られた額装の事を言います。昭和中期くらいまでに仕立てられた欄間額などは殆どがこの構造です。(さらに言うなら今でこそ作品の表面をアクリルなどで保護するのが作品を大切に扱うという観点から当然の事となっておりますが、それも昭和中期くらいからのものです。)
落とし額
「落とし額」とは 平貼り と違い額に段差を設けた構造です。厚みのあるボード等に作品を貼り込み、そのボードを業界では「窓枠」と言われる段差の部分にはめ込み裏板で固定します。段差があるので作品が立体的に見える効果があります。
クモ入り落とし額
落とし額にさらにもうひとつ段差を加えた作り。この段差の事を業界で「クモ」と言います。「クモ入り落とし」の事を「二重落とし」とも言ったりします。二重の段差となるのでそれだけ額に深さが必要となる為、枠の棹も通常よりも太い物が用いられます。
クモ入り浮かし額
クモ入り落とし額と棹は同じ太さの物を用いてクモも同様に使用するのですが、作品を「落とす」のではなく「浮かす」という構造で豪華さを演出している仕立てです。
文字通り浮いているように見えるのですが、実際にはもちろん浮いているわけではなく、作品の下に「下駄」と呼ばれる角材を挟み込む事で浮いているように見せているのです。
こうする事で作品の立体感が強調され、より豪華に格調高くお仕立する事が出来ます。
欄間額の取付、飾り方に関しては下の動画をご参照ください。
額装の仕立てに関してより詳しく以下の動画で解説しておりますので宜しかったらご覧ください。