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掛軸のよくあるお悩み: 掛軸のシミ抜き
掛軸のお悩みで多いのが汚れやシミのご相談。特にシミは湿気の多い日本では発生しやすいお悩みです。
『ついついほったらかしにしていたら気づかない間にシミがびっしり発生してしまっていた!』
なんてお話をよく聞きます。
一番良いのは湿気の少ない場所で管理して年に数回晴れた日に飾り、晴れた日に収納することですがもしシミが発生してしまったら表具屋さんに相談する事をお勧めいたします。
ただこのシミの症状に関しては原因が千差万別なので完璧に除去するのが結構難しいしリスクも高いんです…(⌒-⌒; )
そこら辺の事情をしっかりと理解して納得した上でシミ抜を依頼される事をお勧めいたします。
以前そこら辺のシミ抜に関する表具屋さんの事情をまとめましたのでよろしければこちらもご参照ください。
今回はそんな 掛軸のシミ抜き のご相談。
兵庫県三木市 | 掛軸のシミ抜き のご相談
今回は兵庫県三木市のお客様からのご依頼。ご相談を頂戴したのがこちらの絹本に描かれた松上鶴の掛軸。
もうびっしりと茶色のシミが全体に発生してしまっています。日の出や背景の金雲、胡粉で描かれた鶴の白い羽根にまで…(~_~;) なかなかひどい状況です。
お客様のご相談の中で多いのが
『シミ抜きは高額なので自分で出来るシミ抜きの方法はないですか?』
という質問。
答えとしては
『プロでも大変なので生兵法はやめられた方が良いです。傷口を広げるだけで余計に作品がひどくなる場合が大半です。さらなる追加費用が発生したり、下手をすると修理不能になる場合もあるので素人が下手に触るのはお勧めいたしません。』
です。
よく
『布に水を含ませて拭いてみた。』
とか
『洗剤で洗ってみた。』
とか
『漂白剤を付けてみた。』
などと言って作品を持って来られるお客様がいらっしゃいますが大体の作品が残念な事になってしまっています。(T_T)
そもそも掛軸の状態のままシミ抜きを行おうとする事自体に無理があります。全て解体して旧裏打紙を除去して作品だけの状態にしてからシミ抜きなり洗浄なりを行わないと不具合が発生します。バラす作業もシミ抜きを行う作業も再表具する作業も素人の方では無理なのでやはりプロである表具屋さんにご相談するのをお勧めします。法外な価格の請求は論外ですが、それなりに費用がかかるのは仕方ない事です。それ相応の専門技術でありリスクもあり経験も必要とする作業なので。(あと時間も結構かかるので…)
掛軸のシミ抜き完了
先程の 掛軸のシミ抜き 仕立替が完了いたしました。綺麗にシミ抜きが出来、作品も輝きを取り戻しました。
お客様も大変気に入られていた作品なのでとても喜んで下さいました。親戚が近々集まるそうなので見せる事が出来ると喜んでいました。この度は弊社にご依頼ありがとうございました。
兵庫県三木市で 掛軸のシミ抜き のご相談は是非弊社までお願いします。
掛軸のシミ抜き作業についてより詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。
掛軸の修理修復工程をより詳しくご覧になられたい方は以下の動画で徹底解説しています。全4回に渡る長編の解説付の動画ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。