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虫食い だらけの掛軸の表装修理 | 多可町
虫食い
掛軸は紙や絹などを糊で接着して一体化させた物なのでしばしば 虫食い の被害にあう場合があります。
きちんと桐箱に収納をして掛軸専用の虫除け剤(防虫香)を使い湿気の少ない場所で保管していればそれほど被害にあう事も少ないでしょうが、巻いて裸の状態で湿気のある場所などに保管していると小さな虫がどこからともなくやってきて作品を食い破っていってしまいます。
兵庫県多可町のお客様から 虫食い だらけの掛軸修理依頼
今回はそんな 虫食い でボロボロになった掛軸の修理依頼を兵庫県の多可町にお住まいのお客様より頂戴いたしました。
こちらがご相談いただいた掛軸です。『南無大師遍照金剛』と書かれた掛軸は真言宗の佛事の際に飾られる事が多いです。
お客様のご自宅ではこの掛軸にこのように虫食いが発生している状態でしたので長い間飾れずにいたそうです。
高野山の宝城院の方が書かれた掛軸のようなのでずっと気になっていたのを今回思い切られて弊社にご相談くださいました。
表装修理完了
こちらが表装仕立替をさせていただいた掛軸です。
今回は幸いな事に虫食いのある部分は裏打ちを新しくすればそれほど目立つ事はなく、字が書かれている墨の部分は補彩を行い自然な形に修復いたしました。
表装の裂地は仏教ではよく使われる輪宝紋というマークです。特に真言宗ではよく使われている紋のように感じます。(『真言宗輪宝』という紋もあるようです。)
虫食いも修理されて再び床の間に飾れるようになったとお客様も喜んで下さいました。
虫食い などで傷んだ掛軸の修理でお困りの方がいらっしゃいましたら是非弊社に気軽にご相談下さい。