ニュース/ブログ
臨済宗妙心寺派の寺院から達磨の掛軸修理依頼
臨済宗は大徳寺派や相国寺派など非常に多くの分派が存在します。(15くらい宗派があるそうです。)
今回はその中の一つ、妙心寺派のお寺から達磨大師の掛軸の修理依頼を承りました。
達磨大師は昔のインドのお坊さんで中国に渡って禅宗を開いた開祖と言われています。禅宗では祖師信仰と言ってこの最初に禅宗を開いた達磨大師を大切にする為、よく画題として描かれ掛軸として飾られます。この辺の達磨さんに関するより詳しい内容はこちらの動画をご覧下さい。
今回の作品はそのお寺に昔から伝わる掛軸の一つで江戸時代の中期〜後期のお坊さんが描いた作品だそうです。
作家情報: 大観文殊(だいかん もんじゅ) 1766~1842
擔雪軒と号す。美濃の人。9歳、福井の東光寺で得度出家。三島の龍沢寺に掛搭。19歳、尾張妙興寺で大悟、東嶺に印可されたが、さらに悟後の修行を積み、了畢したのは28歳であった。32歳、丹波法常寺に住す。55歳、南禅寺僧堂に移り開単、復興に尽力。晩年、洛中の玉蔵院に移ったが、再び南禅寺僧堂に帰り、天保13年示寂。世寿77。
お預かりした作品がこちら。全体に折れが発生し汚れも付着して変色を起こしてます。
今回はシミ抜きも行う仕立替をする事となりました。汚れは随分マシにはなると思うのですが何せ江戸時代の作品なのでシミ抜きのやり過ぎには注意が必要です。本紙や墨が弱っている可能性があるので下手をしたら作品を損なってしまう恐れがあるからです。
シミ抜きに関する動画はこちらをご覧ください。
こちらが仕立替を行った掛軸です。全体の汚れも随分と落ちました。作品が歩んできた風格は残しながら出来る限り作品の鑑賞の妨げになる汚れは除去することが出来ました。
弊社は今回のように寺院様からの掛軸や巻物、額装、衝立、屏風などの修理に関する表装サービスも承っております。ご相談出来る表具屋に困られている方は是非弊社までご相談ください。