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折れジワが多数発生している 鍾馗 の掛軸修理 | 神戸市
腕っぷしの強そうな怖いおじさんが描かれているこの作品ですが、このおじさん…『 鍾馗 (しょうき)』と言います。ご存知でしょうか?
日本ではよく端午の節句などで飾られるこの掛軸ですが果たしてどういった意味合いがあるのでしょうか?
簡単に説明しますと以下のようなお話です。
昔、中国の唐の時代に王様が病気になってしまいました。
高熱だったので床で寝ていると夢で鬼が悪さをしておりました。(まぁ、うなされてたんでしょうね。)
そこに現れたのがこの鍾馗さん。いきなり鬼を捕まえて食べてしまったそうです。(逆に怖いっすよね…何も食わんでも…)
王様が『なんだ君は?』と尋ねるとどうもこの鍾馗さん、昔受験に失敗して自殺しちゃったそうなんです。(良い子の皆は受験で失敗してもそんなに思いつめないでね。自殺はしないでね。)
そんな鍾馗さんを手厚く葬ってくれたのがこの国の初代王様だったらしく鍾馗さんはこれに感動して『施されたら施し返す。恩返しです』(「半沢直樹2」より)って事で今の王様を助けに来たらしいです。
王様が夢から覚めると病気も治っており、これに王様は感動して鍾馗の絵を描かせるようになり様々な鍾馗に関する風習が生まれました。
こういった風習が日本にも伝わったそうです。(少なくとも平安時代くらいには)
基本的には魔除け、厄除けの意味合いで男の子の端午の節句に飾られるようになったそうです。
今回はそんな鍾馗さんの掛軸の修理をご紹介。神戸市にお住まいのお客様からご相談をいただいたモノです。
ちょっと渋めのおじさん風に描かれた鍾馗さんですが全体に折れジワが発生してしまっています。
このままの状態で飾るとこの折れから裂けてきて破けてしまうので早めの仕立替が必要です。掛軸の修理の工程に関してはこちらのリンクをご参照ください。
こちらが仕立替をした掛軸。
全体に発生していた折れジワも仕立替をする事で見事に修復されています。これでまた飾っていただけます。
弊社では今回のように傷んだ掛軸の修理を承っております。お悩みの方は是非遠慮なしにご相談下さい。