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立脇泰山の色紙を掛軸に仕立替修理 | 新温泉町
立脇泰山は明治~昭和に活躍した日本画家。
京都画壇の巨匠・竹内栖鳳に学び詩情あふれる作品を多く残しています。
兵庫県の新温泉町の出身で故郷の隣人宛に多くの作品を描いたといわれています。
今回はそんな立脇泰山の色紙作品を掛軸に仕立替してほしいというご要望をご紹介いたします。
ご依頼いただきましたのは新温泉町の浜坂にお住いのお客様で、ご家族が昔、立脇泰山氏に描いてもらった作品が随分とボロボロになっていたので修理したいと思われたそうです。
こちらがご相談いただきました作品。
水車に乗って足踏みをしている人物が描かれた夏の季節を感じさせる爽やかな雰囲気の作品ですね。
少ない筆致で対象を正確に表現するのは師である竹内栖鳳譲りでしょうか。
ただ残念ながら傷みがひどく作品表面が剥げてしまっている場所も複数個所あります。これはなかなか修理に手間取りそうです。
そして色紙の仕立替で気を付けなければならないのは「作品を剥がせるかどうか?」という事です。
色紙の構造によっては作品が剥がせない場合もあるのでその場合はお断りせざるを得ません。
これは現物を見てみないとなかなか判断できません。今回の色紙は何とか作品を剥がす事が出来ましたので修理をお受けする事に致しました。
こちらが仕立替を完了させた掛軸です。
随分と傷みが激しかったのでシミ抜きは出来る範囲でストップしましたが、それでも最初と比べると随分と綺麗になりました。
目立っていた剥げていた部分には補彩を行い自然な見た目になじませました。
お客様も大変喜んでくださり、さっそく今年の夏から飾って楽しまれるそうです。
色紙の修理、仕立替は出来る物と出来ない物に分かれますが、お悩みの方は一度お気軽にご相談ください。