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高橋友峰 老師の掛軸をアメリカのお客様が茶室用にご購入
茶道は中国伝来の喫茶の風習が日本独自の発達を遂げた芸道であり、日本を代表する文化のひとつです。
茶道の大成者である千利休(1522-1591)が「茶道において掛軸ほど第一の道具はない」とした事で掛軸も発展した歴史があり、茶道と掛軸とは切っても切れない関係にあります。
今日では日本のみならず世界各国で多くの茶道愛好家が存在する為、弊社に茶道を楽しむ際の掛軸をご所望される方も増えております。
今回ご紹介するエピソードもそんなお客様の一人です。
今回掛軸のご注文を頂戴したのはアメリカのお客様で、今までも2回弊社から掛軸をご購入下さっているお客様です。
弊社の上得意様となってくださり非常に嬉しい限りです。
今回の3度目のオーダーはこちらの書の掛軸でした。
揮毫されたのは福井県にある臨済宗妙心寺派の古刹・大安禅寺住職の高橋友峰老師。
伸びやかな筆致が人気であり、海外で個展をされた経験もある実力派の書道家です。
揮毫されている内容は「和・平常心是道(びょうじょうしんこれどう)」。
「平常心是道」は禅語のひとつで「普段の当たり前の心こそが道である」という意味。
悟りとは何か特別なものではなく、日常生活の事柄を正しく丁寧に行い、常に心を整える事で生まれる物であるという禅の根本思想となっている言葉です。
この為、禅宗では日常生活の行動それ自身を悟りへの修行と考えます。
千利休もこの禅語の意味を茶道の中に取り込み
「茶の湯とはただ湯をわかし茶をたててのむばかりなる事と知るべし」
という言葉を残しています。
これは「茶道は湯を沸かし、茶をたて、飲むということだけですが、(客の様子やその時や場に応じて)適宜湯を加減したり、分量を調節したりする心遣いが肝要です」という意味合いとなり、そこから「茶の湯は湯を沸かし、お茶をたて、飲むという、当たり前のようなことであっても、それを当たり前のこととして行うということは決して容易いことではありません。だから、しっかりと精進しなさい」という風な意味合いとなります。
普段の心の在り様の大切さを説いた非常に含蓄のある言葉になります。
本作品ではこの禅語の横に大きく「和」の文字が揮毫されており、普段から心の平静を保つ事の大切さも示されています。
まさにお客様が茶道を楽しむのにぴったりの掛軸と言う事が出来ます。
お客様からご自宅の茶室に飾られて楽しまれている様子の写真を頂戴いたしました。
掛軸の前に生け花も飾られ、お気に入りの茶碗を眺めている様子を見るとこちらも嬉しくなります。
今回もご購入ありがとうございました。