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寸法バランスが悪い掛軸の仕立替 | 豊岡市
掛軸の表具の寸法というのはある一定の決まりはあるのですが、細かいところで言うと表具師に委ねられる部分が多く絶対的な物はありません。
その為、たまに変わった寸法バランスの掛軸に出くわす場合があります。
今回はまさにそんな掛軸の仕立替のご相談を兵庫県の但馬地方・豊岡市にお住まいのお客様より頂戴いたしました。
今回ご相談いただいた掛軸がこちら。
作品に対して表具の上下(天地)が異様に長いバランスの悪い掛軸です。
何故このような仕立てになったかは容易に想像出来ました。通常のバランスで表具をすると総丈が短くなり、そのまま床の間に飾ると絵がかなり床の間の上の方になってしまう為にわざと表具の上部を長くして作品が床の間のちょうど良い位置にくるようにしたのだと思います。
こういった丈の短い掛軸は現代では自在掛と呼ばれる高さを調整する金具を用いて掛軸の収まりの良い場所に飾るのですが、お客様のご先祖様の頃はそういったものがなかったのでこういう表具を表具屋さんに依頼したのではないかなぁ〜と想像できます。
一応お客様に今と同じ表具のバランスで仕立替をする事も出来るし、通常通りのバランスで表具を仕立替して自在掛で飾る方法もある旨をご説明し、お客様は後者を選ばれました。
こちらが仕立替を行った掛軸です。
三段表装と呼ばれる形式で表具し、バランス良くなりましたね。お客様にも気に入っていただけました。
弊社は遠方のお客様でも出張相談を承っております。豊岡市にお住まいのお客様で掛軸の修理にお困りの方は是非お気軽にお問い合わせください。