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掛かりが悪い掛軸の仕立替
表具には糊を使用するのですが、あまりに濃度の濃い糊を使用すると掛軸の仕上がりに影響があり、綺麗に飾る事が出来なくなります。
糊の濃度が高いと仕上がりが硬くなってしまったりごわついたりする為、綺麗に掛軸が広がった状態にならないのです。
場合によっては掛軸が反り返ってしまう場合もあります。
業界用語でこう言った状態の掛軸を『掛かりが悪い』といった表現をします。
今回はそんな表具の糊が硬すぎて掛かりが悪い掛軸の仕立替依頼です。
こちらがお預かりした掛軸。あまりに糊が硬い為、掛軸の中央部が強烈に反ってしまっています。
掛軸は飾る環境により多少反る事はある物ですがさすがにここまで反っていると鑑賞する際に気になりますね。
こういう状態を解消するにはこのままの状態で何とかしようとしても不可能ですので仕立替しかありませんので旧裏打紙を除去していかなければなりません。
糊が硬い古い裏打紙を剥がすのは通常よりも難易度が高い為、慎重に少しずつめくっていかなければなりません。
なんとか全ての裏打紙をめくり終えました。た、大変やった…(T . T)
こちらが仕立替が完了した掛軸です。掛かりも良くなりお客様も大変喜んでくださりました。
弊社は掛軸の仕立替相談を承っております。掛軸の修理にお困りの方は是非お気軽にお問い合わせください。