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卸先様からの掛軸のシミ抜き依頼: 神戸の企業が挑む修復作業
掛軸の修理の相談で非常に多いのがシミ抜きのご相談。
シミの症状や作品の素材や状態によって、シミが綺麗に抜けるかどうかは異なるので、表具の仕事の中でもシミ抜きは最難関の作業とされています。
今回はそんなシミ抜きのお仕事依頼を弊社の卸先である事業者さまから頂戴いたしました。
こちらがご相談いただいた南無阿弥陀仏の掛軸です。
特に「無」の部分に大きくきついシミが発生しているのがわかります。
南無阿弥陀仏の掛軸 修理工程
今回の大まかな再表具のオペレーションの流れは以下です。
シミ抜きの薬の濃度や塗布方法などを色々と変えながら何度もシミ抜きにトライしました。
作品解体 (古い裂地や軸棒などを取り外していきます。)
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旧裏打紙を除去 (業界用語で「めくる」という作業)
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作品洗浄 (汚れ落とし)
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シミ抜き (洗浄では落ちないシミの除去)
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再表具
シミ抜きのより詳しい情報に関してはこちらの動画をご参照ください。
掛軸の修理修復工程をより詳しくご覧になられたい方は以下の動画で徹底解説しています。全4回に渡る長編の解説付の動画ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。
修理仕立替完了
なんとかシミが目立たないレベルにまで除去する事に成功いたしました。
よ~~~~~~く目を凝らしてみるとうっすらとシミの痕がまだ残ってはいるのですが、ここまでが限界のレベルですし遠目にはほぼわからないレベルです。
まとめ
掛軸のシミ抜きは非常に難易度の高い修復作業になりますが、お困りの際はお気軽にご相談ください。