卸先様からの掛軸のシミ抜き依頼: 神戸の企業が挑む修復作業

掛軸の修理の相談で非常に多いのがシミ抜きのご相談。

シミの症状や作品の素材や状態によって、シミが綺麗に抜けるかどうかは異なるので、表具の仕事の中でもシミ抜きは最難関の作業とされています。

今回はそんなシミ抜きのお仕事依頼を弊社の卸先である事業者さまから頂戴いたしました。

こちらがご相談いただいた南無阿弥陀仏の掛軸です。

 

特に「無」の部分に大きくきついシミが発生しているのがわかります。

 

南無阿弥陀仏の掛軸 修理工程

今回の大まかな再表具のオペレーションの流れは以下です。

シミ抜きの薬の濃度や塗布方法などを色々と変えながら何度もシミ抜きにトライしました。

 

作品解体 (古い裂地や軸棒などを取り外していきます。)

旧裏打紙を除去 (業界用語で「めくる」という作業)

作品洗浄 (汚れ落とし)

シミ抜き (洗浄では落ちないシミの除去)

再表具

 

シミ抜きのより詳しい情報に関してはこちらの動画をご参照ください。

 

 

 

 

掛軸の修理修復工程をより詳しくご覧になられたい方は以下の動画で徹底解説しています。全4回に渡る長編の解説付の動画ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。

 

 

修理仕立替完了

なんとかシミが目立たないレベルにまで除去する事に成功いたしました。

 

よ~~~~~~く目を凝らしてみるとうっすらとシミの痕がまだ残ってはいるのですが、ここまでが限界のレベルですし遠目にはほぼわからないレベルです。

 

 

まとめ

掛軸のシミ抜きは非常に難易度の高い修復作業になりますが、お困りの際はお気軽にご相談ください。

 

CEO Message

あなたと掛軸との懸け橋になりたい


掛軸は主人が来客に対して季節や行事などに応じて最も相応しいものを飾り、おもてなしをする為の道具です。ゲストは飾られている掛軸を見て主人のおもてなしの気持ちを察して心を動かす。決して直接的な言葉や趣向ではなく、日本人らしく静かにさりげなく相手に対しておもてなしのメッセージをおくり、心をかよわせる日本の伝統文化です。

その場に最もふさわしい芸術品を飾り、凛とした空間をつくりあげる事に美を見出す・・・この独特な文化は世界でも日本だけです。

日本人が誇るべき美意識が詰まった掛軸の文化をこれからも後世に伝えていきたいと我々は考えています。



代表取締役社長
野村 辰二

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会社概要

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商号
株式会社野村美術
代表取締役
野村辰二
本社
〒655-0021
兵庫県神戸市垂水区馬場通7-23
TEL
078-709-6688
FAX
078-705-0172
創業
1973年
設立
1992年
資本金
1,000万円

事業内容

  • 掛軸製造全国卸販売
  • 日本画・洋画・各種額縁の全国販売
  • 掛軸表装・額装の全国対応
  • 芸術家の育成と、それに伴うマネージメント
  • 宣伝広告業務
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