弊社には世界各国から様々な掛軸に関するお問い合わせが寄せられます。

その中で、今回ご紹介するのは、英国在住のお客様からの特別なオーダーです。

「西郷隆盛」の名前を日本語で書いた掛軸を製作したいという内容でした。

弊社はこのプロジェクトを通じて、お客様との丁寧なやり取りを重ねながら、一つの掛軸を完成させました。

本記事では、その過程と結果について詳しくご紹介いたします。

 

 

問い合わせの始まり

お問い合わせの始まりは弊社に届いた1通のメールからでした。

内容は「西郷隆盛」の名前を日本語で書いた掛軸を製作したいというもので、製作期間、価格、そしてロンドンへの配送時間についての詳細を求めるものでした。

西郷隆盛…そう、幕末の英雄ですね。最後は西南戦争で義の為に散っていった英雄です。

2018年の大河ドラマが「西郷どん」で会った事からも日本では今なお人気のある人物です。

しかし、海外の方にも認知されており、掛軸が欲しいと思う程の人気があると言うのはこのお問い合わせで初めて知り大変驚きました。

 

初回のご提案と調整、裂地の選定

弊社からの最初の返信では掛軸のサイズについて説明いたしました。

提案したサイズは54.5cmの幅と180-190cmの長さの掛軸でした。

また、製作から納品までの期間は約1-2ヶ月とお伝えしました。

しかしお客様からの返信では、このサイズが大きすぎるとのご指摘があり、45cmの幅と150-155cmの長さを希望されましたのですぐに対応し、お客様の希望に沿ったサイズに変更しました。

 

裂地に関しては以下の裂地をご提案させていただきご採用いただきました。

 

コミュニケーションの課題

プロジェクトの進行中、何故かお互いのメールが原因不明で不通になってしまうトラブルに見舞われましたがお互いに問題の解決に努めました。

オンラインであればメールのやり取りが必須となりますが、こういった事態が発生する可能性もあるという事を想定しておかなければならないと勉強になりました。

 

完成と感謝の声

お客様と数度の製作に関するやり取りを行い、誤解が生じながらもお互いに歩み寄り、なんとか掛軸を完成させました。

 

お客様にも出荷前に掛軸の写真をお送りさせていただき、以下のようなメールを頂戴いたしました。

親愛なる雄一さん、

タイミングや他のすべてのことに関係なく、私はあなたとあなたのチームのすべてのハードワーク、努力、そしてあなたが私のためにしてくれたことに心からの感謝を表したいと思います。

私は日本の素晴らしい文化や歴史、そして日本人を心から愛しています。

日本の歴史上、最も素晴らしく、影響力のある人物の一人である西郷隆盛の名前を冠した掛け軸を注文したという事実が、それを物語っています。それが私にとってどれほどの意味を持っているかということです。

もう一度、すべてに感謝します。またいつか、貴社に何か注文する日が来ることを願っています。

お元気で。お元気で。ありがとうございました！

よろしくお願いします。

Dear Yuuichi-san,

Regardless of timing and all other things, I would like to express my sincere gratitude to you and your team for all the hard work, efforts and what for you did for me.

I am a great admirer of Japan, your amazing culture and history, which I love with all my heart, and Japanese people as well.

The fact that I ordered a scroll with the name of one of the most amazing and influential people in your history – Saigo Takamori -speaks for itself. This is how much it means to me.

Once again, I thank you for everything. Hopefully, one day I will order something else from you.

My best wishes to you and your family. Take care. Thank you very much!!!!!

 

お客様にここまで喜んでいただけたのは弊社としても大変誇らしい限りです。

こちらが実際にお客様の元に到着して、飾っていただいた掛軸の写真です。

 

 

まとめ

このプロジェクトを通じて、私たちはお客様とのコミュニケーションの重要性を再認識しました。

特に文化的な背景や言語の違いを理解し、丁寧な対応を心がけることが、信頼関係を築く上で不可欠であることを学びました。

またお客様のニーズに応じたカスタマイズと、細やかなコミュニケーションを通じて、一つの作品を完成させることができた事は弊社にとって非常に貴重な経験となりました。

今後も、こうした経験を活かし、お客様に満足いただける製品とサービスを提供してまいります。

弊社は、このように別注の掛軸製作も承っております。書道でお気に入りの日本語を書いて掛軸を製作する対応も可能です。

ご要望の方は是非お気軽にお問い合わせください。

日本の美術と文化を世界に広めるために、これからも努力を続けてまいります。

皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております。