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日蓮曼荼羅 の掛軸表装修理 | 淡路市
淡路市 のお客様より
今回はお客様の 日蓮曼荼羅 の掛軸修復のお仕事紹介です。仏教ではそれぞれの宗派で根本的に大切にされているものがありこれ「本尊」(ほんぞん)といいます。(根本的に尊いものという意味です。)
日蓮宗では「妙法蓮華経」というお経が本尊であり、上記のように「南無妙法蓮華経」と書いた日蓮曼荼羅(にちれんまんだら)という物を飾る場合が多いです。
今回は仏壇の中で100年以上飾られていたご自宅の日蓮曼荼羅をふとした時に覗いてみたら随分と傷んでいたのにお客様が気がついてのご相談でした。おじいさんの代からのもので作品も随分と傷んでいたので弊社の方で仕立替・洗浄を行い、再び飾れる状態にしてほしいとの事でした。
ご先祖さまから大切にされているものなのでしっかりと仕立替を行い、新しい命を吹き込み、また長く使っていただければ弊社としても嬉しい限りです。
しかし・・・なかなか傷んでいますね・・・
作品に所々汚れがあり、白くなっている部分は欠落している部分です。これもしかしたらですけどお客様は祖父の代からと言っていましたがもう少し前からの物かもしれません。実はこの掛軸は一度仕立替をされていた可能性があるのです。その再表具の裏打紙を剥がす際に欠落した部分の可能性が高いのです。そして祖父の代のものをそんなに頻繁に仕立替をしないのでひょっとしたらもう少し前から既に家で使われていた物の可能性があるのです。まぁ・・・これは余談でどちらでも良い話ですが・・・
表装仕立替オペレーション
今回の大まかな再表具のオペレーションの流れは以下です。
旧裏打紙を除去 (業界用語で「めくり」という作業) ↓
作品洗浄 (汚れ落としです。シミ抜までは必要ないという判断です。)
↓
補修 (作品の欠落している部分を自然に見えるよう地色を合わせる作業)
↓
再表具 (お客様に選んでいただいた裂地パターンにて再表具)
さてさて、仕上がった作品がこちらです。表装裂地はお客様自身で選んでいた
弊社の表装パターンではNO5です。
洗浄を行ったので作品の汚れも随分と落ちました。欠落していた部分は他の作品の地色に合わせるよう補修を行い、自然な状態にいたしました。
納品
納品に伺い、無事にお仏壇の中に飾ってきました・・・。秋のお彼岸に間に合って何よりで
お客様にも大変喜んでいただき嬉しい限りです。
またこのお家でこの掛軸を代々受け継いでいってもらえる事を願っております。
ありがとうございました。
掛軸の修理修復工程をより詳しくご覧になられたい方は以下の動画で徹底解説しています。全4回に渡る長編の解説付の動画ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。