掛軸の折れ / 剥落 の修理: 雪中紅梅

掛軸の折れ 剥落_header

掛軸は紙や絹を和紙と裂地と糊によって一体化させたものなので折れが発生しやすい性質を持ちます。

この折れですが美術品の見た目を損ねるだけではなく、深刻な症状の場合は作品の破損にもつながる厄介なものです。

今回の修理依頼は軽微ながら作品が剥落しかかっている状態のものでした。

掛軸の折れ / 剥落 の修理前後をご覧ください。

 

 

掛軸 「雪中紅梅」 修理仕立替

掛軸の折れ 剥落001

これが今回の修理依頼の掛軸ですが、全体に無数の折れジワがいっているのがわかります。

 

 

掛軸の折れ 剥落002

拡大001

 

 

掛軸の折れ 剥落003

拡大002

 

 

掛軸の折れ 剥落004

拡大003 (横から見た写真)

 

 

こういうきつい折れの部分は仕立替で再度裏打をする際にれ伏せ(折れ止め、折り当て、スジカイ)と呼ばれる細い和紙を当てて補強します。
そうしないとこの折れのきつい所は折れやすくなっているので再びそこから折れが発生してしまうからです。

Reinforcement 002 image

 

 

 

下の写真部分は折れが酷くなり、作品が剥落しかかっています。
剥落部分が残っていれば何とか目立たないように出来る時もありますが、大概の場合、剥落部分は弊社に相談に来る時点で紛失しています。
また「剥落=その剥落部分が脆くなっている」という事なのでパーツが残っていても上手く接合出来るかどうかはケースバイケースなのです。
そうなる前に早めに掛軸の修理・修復を相談されることをお勧めいたします。

掛軸の折れ 剥落005

拡大004 (剥落)

 

 

掛軸 修理 後

掛軸の折れ 剥落006
折れが仕立替をし、修理修復する事できれいに消えました。

 

わかりやすくする為に下記でビフォーアフターを見てみましょう。

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今回は剥落もきれいに修理修復出来ました。

これでまた初春に飾って楽しんで頂くことが出来てなによりです。

掛軸の修理修復工程をより詳しくご覧になられたい方は以下の動画で徹底解説しています。全4回に渡る長編の解説付の動画ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。

 

 

CEO Message

あなたと掛軸との懸け橋になりたい


掛軸は主人が来客に対して季節や行事などに応じて最も相応しいものを飾り、おもてなしをする為の道具です。ゲストは飾られている掛軸を見て主人のおもてなしの気持ちを察して心を動かす。決して直接的な言葉や趣向ではなく、日本人らしく静かにさりげなく相手に対しておもてなしのメッセージをおくり、心をかよわせる日本の伝統文化です。

その場に最もふさわしい芸術品を飾り、凛とした空間をつくりあげる事に美を見出す・・・この独特な文化は世界でも日本だけです。

日本人が誇るべき美意識が詰まった掛軸の文化をこれからも後世に伝えていきたいと我々は考えています。



代表取締役社長
野村 辰二

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会社概要

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商号
株式会社野村美術
代表取締役
野村辰二
本社
〒655-0021
兵庫県神戸市垂水区馬場通7-23
TEL
078-709-6688
FAX
078-705-0172
創業
1973年
設立
1992年
資本金
1,000万円

事業内容

  • 掛軸製造全国卸販売
  • 日本画・洋画・各種額縁の全国販売
  • 掛軸表装・額装の全国対応
  • 芸術家の育成と、それに伴うマネージメント
  • 宣伝広告業務
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