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古い屏風 の活用法: 額装に新しく仕立替 | 加西市
最近弊社に寄せられるご相談で多いのは 古い屏風 についてです。間仕切りなどに調度品として使用されていた屏風ですが現在の家庭ではなかなか使用する機会がなくなっている事が多いです。
大きいですからね、屏風って…(汗)
二曲屏風でも嵩が張るのに上記の写真のような六曲屏風だと飾れるご家庭も限られてしまいますね。
でもご先祖様が大切にしていたり、ご自身が子供の頃から親しまれていた思い出の品だったりという場合が多いので捨てたりする事が出来ず、結局日の目を見ることなく仕舞われている事が多いようです。
そして使われないので知らない間に傷みが出たりして…という悪循環になる事も多いです。
今回ご相談を受けた屏風もまさにそのような状況で随分と傷みが進行している状況でした。
古い屏風 を額装に| 兵庫県 加西市 のお客様
古くからご家庭にあり、自分も小さい頃この屏風を使って遊ばれていた思い出の品なので捨てるに捨てれない。
でもどんどんボロボロになっていく…
飾る場所もない…
まともに修復しようとすると予算も高くなる…
しかも屏風に仕立て直しをしても再び飾る場所がない…
そんな悩みがぐるぐると回って袋小路に入られていたようです。
今回弊社がご提案させていただいたのは 古い屏風 の額装への仕立替です。軸装に仕立替をしても良かったのですが、作品本紙の状態が傷みすぎているのと本紙自体が硬く軸装に不向きであった為、額装のご提案をさせていただきました。軸装の場合、太巻にすれば何とか保存できるかもしれなかったのですがそうするとまた費用が嵩むので…(汗)今回は費用を抑える為と大きさをコンパクトにして飾りやすいようにする為に定寸の額にて仕立替を行うことにいたしました。
製作風景
額のどの部分に作品を貼るかの位置決めです。
作品は既に 古い屏風 から剥がし、新たに裏打をしています。
細い金襴の裂地の筋を作品に廻した状態。
額に張り込む際には水分を与えて紙をのばします。
四辺に糊をつけていきます。
基本は1分(3ミリほど)くらいの寸法で糊をつけていきます。
貼りこんでいきます。
額装完成
しっかりと額装いたしました。作品本紙の補修は予算の関係上、今回は行いませんでしたが昔の風合いも残ってこれはこれで良いですね。現在の和額はアクリルが入りますので直接外気と接する事が防げますので作品のこれ以上の劣化を防ぐ事が出来ます。また衝撃にも強いので何かが当たって破れる心配もないですね。
納品
お客様のご自宅に納品に行ってまいりました。ものすごく楽しみにされていたようで喜んでいただけました。額装6枚もそれなりの嵩になりますが、それぞれを色々な所に飾る事が出来るので現在のインテリアとしても楽しむ事が出来ますね。また家族や親戚に分けて配る事も検討されているようです。
古い屏風 に新しい命を吹き込み、現在に活用いただくよう今回も出来ました。また末永く使って楽しんでいただきたいものです。古い屏風のご相談は是非弊社まで。
鷹の絵について大河ドラマ「麒麟が来る」に絡めて詳しく解説しておりますので宜しかったらこちらの動画をご覧ください。
和額の種類についてはこちらの動画で解説しておりますのでよろしかったらご覧ください。