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裏打済 の額装作品を 掛軸 に | 兵庫県 西脇市 のお客様から
西脇市 のお客様より
書道をされている方から過去に作品展などに出品した作品を軸装にして欲しいという依頼を受ける事があります。
仮巻などに一時的に貼り付けていて裏打がされていない作品なら良いのですが、額装にする為に既に 裏打済 の作品を依頼される事もあります。
今回西脇市のお客様から軸装を依頼された作品がこちらなのですがかなり大きな作品で既に裏打がされています。
作品の上部や左部分が破れてしまっているのでこういった部分をきちっと軸装する為には旧裏打紙を剥がして裏打し直さなければなりません。
さらに前回の裏打の時に使用した糊の粘着力が弱まり、旧裏打紙と作品が浮いてきてしまっています。(写真の赤丸部分)こういった部分を修復する為にも旧裏打紙をめくり、裏打をし直さなければなりません。「浮き」についてはこちらを参照。
旧裏打紙の除去(めくり)ですが、額装に使われている糊は粘着性の強い場合が多く、剥がしにくい事が多々あるので慎重にめくっていかなければなりません。
額装には何故粘着性の強い糊が使われる場合が多い!?
額装は軸装と違い保存の際に巻かなくても良いので粘着性の高い糊でしっかりと裏打をしている場合が多いです。
軸装の場合は粘着性の強い糊で裏打をしてしまうと作品全体が固く仕上がり、掛軸を巻き上げる際にシワや折れの原因になるので薄い糊で裏打される事がほとんどです。
旧裏打紙除去(めくり)の様子はこちらの動画をご参照下さい。
軸装完成
何とか旧裏打紙もきれいに除去する事が出来、大巾の掛軸に仕立てる事が出来ました。迫力ありますね。
破れが生じていた上部や左部も綺麗に繋ぎあわせて目立たないように裏打出来ました。
浮きが目立っていた部分も仕立替をして綺麗になりました。
軸装をする事により、また飾って楽しむ事が可能となりました。
裏打済 の作品の軸装に関するご相談は是非 (株)野村美術まで。
「たいせつなもの 未来へ…」
掛軸の修理修復工程をより詳しくご覧になられたい方は以下の動画で徹底解説しています。全4回に渡る長編の解説付の動画ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。