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破れた和紙 の作品を繋いで掛軸表装 | 姫路市のお客様より
姫路市
和紙に描(書)いた作品が何かの拍子に破れてしまったというご相談をたまにお伺いする事があります。仮巻に固定していた物が何かにひっかかってしまい破れてしまう事があるようです。
今回は姫路にお住まいのお客様よりご相談です。以前、鯉の掛軸のシミ抜・仕立替をご依頼いただいたお客様です。(その時の記事はこちらをご参照下さい。)
こちらが今回ご相談いただいた作品になります。百人一首のお気に入りの和歌を書かれた作品なのですが、右下の部分が上記でご説明したような状況になってしまっています。
右下の部分が完全に破れてしまっていますね。仮巻は作品の保管や鑑賞の面で非常に便利なのですが、扱い方を誤るとこういった事が起こってしまいます。
今回は作品同士が綺麗に破れてくれていたので裏打する際に破れた部分をぴったりとあわせて裏打をしました。こちらが表装し終わった掛軸です。
右下の破れていた箇所がパッと見ではわからないくらいになりました。 破れた和紙 は繊維の毛羽同士を重なり合うように継ぎ合わせる事で継ぎ目の段差が緩和されます。このような和紙の特徴を活かした継ぎ方を喰い裂き継ぎ(くいさきつぎ)と言います。
納品にお伺いすると綺麗に継がれた作品にお客様自身驚かれておりました。
「よ~く見てみなわかりませんな。これはすごい!」
とお褒めの言葉も頂戴いたしました。ありがとうございます。
作品を描いた和紙が破れてしまった時のご相談は是非弊社までお問い合わせ下さい。
掛軸の歴史について知りたい方はこちらの動画をどうぞ