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大正時代 の掛軸の表装修理 仕立替依頼
弊社では古い掛軸の修理や表装仕立替を承っております。
ご依頼いただく掛軸は年代物が多く明治や 大正時代 の掛軸は当たり前で古いものになると江戸時代やそれ以前の室町時代の掛軸を依頼されることもあります。(大体室町時代くらいの物をご依頼されるのは神社仏閣のご依頼が多いですね。)
その時代のその時代の背景が少し感じ取る事が出来るので面白いものです。
今回は掛軸の仕立替の中では比較的新しい 大正時代 の掛軸の仕立替依頼です。今回ご依頼いただきましたのはこちらの「落雁図」の掛軸。
随分とボロボロの状態です。表具の天の部分は完全に裂けてしまって飾れない状態です。天と中廻しとのつなぎの部分も裂けてしまっています。
酷い折れが作品に入ってしまっています。こういう所から作品が裂けてきてしまいます。ちなみに折れの下に描かれている複数の黒い横線が雁です。
下の部分も酷い状態ですね。左の柱の下部分が裂け始めています。
表装オペレーション
今回の大まかな再表具のオペレーションの流れは以下です。
作品解体 (古い裂地や軸棒などを取り外していきます。)
↓
旧裏打紙を除去 (業界用語で「めくる」という作業) ↓
肌裏打
↓
補強 (筋交という細い和紙を裏側から充てていきます。)
↓
裂地選定
↓
再表具 (つけ回し、中裏打、断ちあわせ、総裏打など)
無事に仕立替が済みました。随分と傷みが酷かったので心配しましたが、思っていたよりも作品の方へのダメージも少なく前回の表具に使用されていた糊も適切な粘度だったので問題なく仕立替が出来ました。
折れもすっかりなくなり、表装も新しくなったのでこれでまた飾って楽しむ事が出来ます。
お客様にも大変喜んで頂けました。大正時代からのものなので大切にされたいとおっしゃっておられたので何よりです。
今回は作業の様子を動画にてまとめましたのでこちらの方もご参照下さい。
古く傷んだ掛軸の修理や表装仕立替のご相談は是非弊社までご用命下さい。