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掛軸の折れ は早めに表装仕立替をしましょう
掛軸は長期の使用をしているとシワや折れがどうしても発生する場合があります。
その原因は様々ですが以前、 掛軸の折れ に対する原因と対策について記事でまとめましたのでご参照ください。
今回は折れが発生している鮎の掛軸の仕立替のご依頼です。
それほど大事にまでは至っていませんが目で見てはっきりと確認できるレベルで本紙に折れが発生してしまっています。
作品も薄墨で描かれた鮎の図なので余白に発生してしまっている折れが余計に目立ってしまいますね。
転ばぬ先の杖ではありませんがこの程度まで折れやシワが発生しているなら放っておかずに表具の仕立替をされるのをお勧めいたします。この状態を放置して使用し続けるとこの折れの部分から裂けが発生してしまい、作品自体に取り返しのつかない破損が発生してしまうからです。何事も早いうちの対処が先決です。(もちろん折れやシワが発生しないように適切に掛軸を取り扱う事が最も大切です。)
今回仕立替をした仕上がりはこちらです。しっかりと折れやシワが伸びて目立たなくなりました。薄墨で描かれた鮎と柳の描写に意識が集中出来ますね。折れやシワがないって作品を鑑賞する上でとっても大事です。
表装の裂地は涼やかなイメージを意識して選びました。表装の裂地は墨で描かれた作品に彩りを連想させる役割もある大切なものです。
弊社は遠方のお客様の出張修理相談も承っております。掛軸の折れ についてのご相談は是非弊社まで。
掛軸の修理修復工程をより詳しくご覧になられたい方は以下の動画で徹底解説しています。全4回に渡る長編の解説付の動画ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。