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掛軸の数え方 : 幅、本、点
「 掛軸の数え方 がわかりませんので教えてください。」
たまに聞かれるこの質問。
掛軸を長年扱っていると当たり前すぎてついつい盲点の質問になってしまうのですが、よく考えたら世の中には圧倒的に掛軸を触った事すらない人が多いんですよね。(これはこれで少し悲しいですが…)
逆にそれだけ掛軸を扱った事がない人が多い中で、 掛軸の数え方 をちょっと知っているだけでちょっとした時に周りから「おぉ~」と思われるかもしれませんね。
今回はそんな掛軸の数え方についてご紹介させていただこうと思います。
幅
基本的な 掛軸の数え方
基本的に掛軸は『幅(巾)』(「ぷく」もしくは「ふく」)と数えます。
- 一幅=いっぷく
- 二幅=にふく
- 三幅=さんぷく
- 四幅=よんぷく
- 五幅=ごふく
- 六幅=ろっぷく
- 七幅=ななふく
- 八幅=はっぷく
- 九幅=きゅうふく
- 十幅=じゅっぷく
といった感じで数によって「ぷく」か「ふく」かに分かれます。
これが正式な数え方です。
これに付随して複数本でセットとなっている掛軸は特殊な呼び方をする場合があるのでご紹介させていただきます。
二本セットの場合
二本で1セットとなるような掛軸は「対巾」(ついふく)もしくは「双巾」(そうふく)と呼びます。
「鶴」と「亀」などが多いですね。
三本セットの場合
三本で1セットとなるような掛軸は「三対巾」(さんぷくつい)と呼びます。
真ん中に「寿老人」が描かれていて両サイドに「鶴」と「亀」が描かれている場合や真ん中に「鶴亀」が描かれていて両サイドに「松竹梅」を分けて描いている場合などがあります。
四本セットの場合
四本で1セットとなるような掛軸は「四巾対」(よんぷくつい)と呼びます。
これは圧倒的に四季物がほとんどですね。春、夏、秋、冬に分かれています。
十二本セットの場合
十二本で1セットとなるような掛軸は「十二巾対」(じゅうにふくつい)と呼びます。
そこまで見る機会は多くないですがたまに十二ヶ月それぞれ描き分けた物や干支を十二種描き分けた物などがあります。
これ以上の物も一応仏画などで世の中には存在しているそうですが私はまだ拝見した事はありませんので一般の方が見る事はまぁよっぽどでないとないと思うので上記で十分かと思います。
本
我々業者間では『本』(「ほん」もしくは「本」)と数える事がほとんどです。
「この先生の掛軸5本程見せてほしい」や「これらの掛軸3本注文する。」などと言います。
点
これは掛軸に限ったわけではありませんがお客様に丁寧に数を紹介する時には「点」(てん)を使う場合もあります。
「お買い求めの掛軸はこちら2点で宜しいでしょうか?」や「こちらのイベントでは合計100点以上の掛軸を展示しております。」などですね。
以上が掛軸の数え方に関するお話でした。
色々お話しさせていただきましたが、基本的には掛軸は『幅(巾)』(「ぷく」もしくは「ふく」)と数えると覚えておいていただければ大丈夫です。
明日から掛軸を見かけたら周りに話してみてください。
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