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【美術ニュース】東博の国宝展、伊藤若冲・仙人掌群鶏図、河鍋暁斎、みを
初日でほぼ完売! 国宝展の人気がスゴイ!!
2022年の美術展覧会の目玉と言われている「国宝展」(東京国立博物館)の人気がスゴイです!
この展覧会では10月18日(火)から12月11日(日)までの会期を4つに区切り、事前予約制によるチケット販売を導入しており、それぞれの会期の事前予約は以下のように順次行われています。
この第三期にあたる11月15日(火)~11月27日(日)までの予約開始が11月1日(火)10時からスタートし、私もこの期間に来場しようと考えていたので朝からPCにスタンバっていました。
というのも、とある情報で第一期、第二期にチケットが取れなかったという人の話を聞いていたからで、もしかしたら競争が激しく自分の希望する時間帯が取れない可能性があるかもしれないと少し思ったからです。
とはいえ、内心では「いくらなんでも美術展のチケット予約でそこまでの争奪戦は起こらないだろう」と高を括っていました。
しかし10時になると東博のHPが全く動かなくなりました。
動いてもページ表示は不安定な状態でレイアウトが崩れたような状態で出たり、ページが表示されなかったりといった状態でHPにアクセスが集中し過ぎてサーバーに強烈な負荷がかかっているのだ。
数分経ってやっとチケット購入のページに到達し、第一希望の日時をクリックすると今度は「アクセス中・・・待ち時間〇〇分」という表示に!!
しかも「この時間を待つ事がチケットの確保を保証するものではありません」と恐ろし気な文面が…(;´Д`)
「そんな事言っといてちゃんと予約できるんでしょ~。万が一でしょ~。」と思っていると
本当に購入できませんでした( ゚Д゚)
正直、危機感を感じすぐに第二候補の日時をクリックすると今度は20分待ち!!( ゚Д゚)ギャー
「これで20分待ってまたアウトやったらもう他全部埋まってしまってるんじゃ…」と不安になったのでいくつかの候補を同時に保険でクリックして待つ事にしました。
結果は何とか第二候補の日時は抑える事が出来、一安心しました。
その後、しばらく見ていたのですがその日のお昼くらいには7割くらいは販売済に、夕方にはほぼ完売状態になっており、国宝展の人気の高さをまざまざと思い知らされました。
ちなみに弊社のYoutubeチャンネル「掛軸塾」に寄せられた以下の情報によると会場内も相当すごい状況になっているようです。
一昨日、2期に行ったのですが、会場内は人の熱気ムンムンで、第1会場と第2会場の間の休憩所も飲食禁止・水飲み場はコロナ対策で使用できず、水分補給が出来ません。(担架を運ぶ救急隊員を見かけてしまいました)
入る前に水分補給はしっかりされてからをお勧めします。(会場内トイレはありますし)
コインロッカーも混雑してますが、表慶館の入り口すぐのコインロッカーは空いているのを見ました。
あと、本館の2階の「日本美術の流れ」の展示もなかなかのラインナップでした。トーハクのホームページの展示の詳細で調べるのも良いかと思います。
担架って…なにがあったのよ…( ゚Д゚)
とにかく気合をいれて臨んだ方が良さそうなのはわかりました。またレポを投稿したいと思いますので宜しくお願いいたします。
そして最後の第4期の予約開始は11月15日(火)の朝10時からですので1~3期を逃した方はラストチャンスになりますので気合を入れてお早めに購入するのをお勧めいたします。
伊藤若冲・仙人掌群鶏図襖 3年ぶりに特別公開
伊藤若冲は江戸時代中期、18世紀の京都で活躍した奇想の絵師。
今、世界で最も人気のある日本の絵師の一人であり、2021年には代表作である動植綵絵30点が全て国宝に指定されるなどまさにその人気は飛ぶ鳥を落とす勢いです。
動植綵絵についてはこちらの動画をご参照ください。
そんな伊藤若冲の晩年の傑作が仙人掌群鶏図と呼ばれる襖絵で大阪府豊中市の西福寺という寺院に納められています。
この襖絵は通常は非公開なのですが、年に1回だけ11月3日の文化の日に虫干しを兼ねて特別公開されます。(雨天中止)
西福寺は公式HPもないのでこの特別公開の情報は結構知る人ぞ知るレア情報なので今回取材に伺いました。
詳しいレポはまた後日投稿するとして、この特別公開は2021年、2020年はコロナの影響で中止していたらしく、今年3年ぶりの公開だったそうです。
会場には開場前から多くの人が列をなす人気ぶりで、作品をご覧になられた来場者からは感動の声が聞こえてきました。
来年もコロナが落ち着いていれば恐らく開催されると思いますのでご興味ございましたら是非足をお運びください。
HPやSNSが来年までに出来ていたら良いのですがない場合はお電話で開催されるかどうか直接お尋ねください。
西福寺 TEL: 06-6332-9669
河鍋暁斎海外で人気じわり
河鍋暁斎は幕末から明治時代にかけて活躍した絵師。
「その手に描けぬものなし」と言われる程の圧倒的な描写力とユーモアあふれる不思議な世界観が非常に人気。
河鍋暁斎に関する動画はこちらをどうぞ。
この河鍋暁斎は日本での知名度はまだまだなのですが、海外では現在人気急上昇中。
特に今年はイギリスのロンドンにあるロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ(以下RA)で3月19日から3ヶ月に渡って行われた大規模な河鍋暁斎展の影響もあり、その勢いに拍車がかかっている状況です。
この展覧会は世界屈指の河鍋暁斎コレクターであるイギリスの美術商・イスラエル・ゴールドマンさんのコレクション約1000点の中から珠玉の作品約80点を一堂に会した展覧会。
この河鍋暁斎人気をアメリカの権威ある美術雑誌「ARTnews」が以下のように伝えているので翻訳した物を一部抜粋してご紹介いたします。
「海外でじわじわ人気の河鍋暁斎、漫画ファンやタトゥーアーティストからも熱い支持」
19世紀における日本の版画といえば、歌川広重(1797-1858)や葛飾北斎(1760-1849)が筆頭に挙げられる。しかし、第三の人物として、河鍋暁斎(きょうさい、1831-89)の名が海外でも知られ始めているのをご存知だろうか。その理由には、ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ(RA)で3月〜6月にかけて開かれた展覧会が関係していると言えるだろう。
暁斎は58年という短い生涯の間に、漫画という芸術の先駆けとなる作品を生み出した浮世絵師だ。多作であることでも知られ、絵画、風刺画、スケッチ、挿絵本、版画など幅広い作品を残した。その多くは、先述のRAでの展覧会を構成した、イスラエル・ゴールドマンのコレクションで見ることができる。
イスラエル・ゴールドマンは次のように話す。「当時、暁斎は過小評価されていた。しかし一方で、多作であり、有名な画家でもあったことは確かです。そのため、贋作も多いのです。私はハーバード大学で美術史を専攻しましたが、そこで得た目利きの技術で本物を発掘することができ、また、作品を購入する余裕もあったのは幸運ですね」
近年では、暁斎は、美術愛好家やタトゥーアーティスト、漫画ファンらの間で新たな人気を得ている。ゴールドマンが指摘するように、暁斎の作品は現代のタトゥーアーティストにとって参考書のような役割を果たしているのだ。実際に、暁斎に焦点を当てた“入れ墨”の参考書は、何冊も出版されている(暁斎が描いた「鬼」のみを扱った本もある)。
今後ますます目が離せない注目の絵師という事で引き続き動向を追っていきたいと思います。
展覧会の様子はこちらの動画で見る事が出来ます。
展覧会のHPはこちら(英語)
くずし字判読の救世主!? 認識アプリ「みを(miwo)」
美術品を扱う仕事をしていてよくお客様から聞かれるのが「この書ってなんて書いているんですか?」という質問。
そう、書のくずし字って本当に読めないですよね。弊社もいつも四苦八苦してます。
そんなくずし字を判読する救世主が現れました。それが認識アプリ「みを(miwo)」。
2021年8月に公開していたこのアプリですが、このたび2022年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞したという事で今、話題です。
AIとディープラーニングを用いて、画像のくずし字を認識して判読してくれるという代物。
携帯で撮影した写真でもOKですし、ダウンロードした画像でもOKとの事で実際使ってみました。
感想としてはまだまだ精度は不安定ですが、これからディープラーニングを重ねていけば改善されていくのではないかと今後に期待。
ありそうでなかったアプリが今後の古文書解読などに役立つ日も近い。