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誰も教えてくれない展覧会を10倍楽しむ方法 – 知っておきたい10のコツ
美術のお仕事をしていると
「美術の展覧会の楽しみ方がわからない」
「自分の展覧会の見方があっているのか不安」
というお声を頂戴する事があります。
美術の展覧会を訪れる際には様々な方法でその楽しみ方を広げるコツがあるのですがこれらを知らずに損をしてしまっている方も多くいらっしゃいます。
この記事では、「誰も教えてくれない展覧会を10倍楽しむ方法」を網羅的にご紹介しています。
弊社は日本美術を扱う会社ですので日本美術の展覧会を楽しむ方法についてご紹介いたしますが、西洋美術などの展覧会を見る上でも応用できる部分が多々あると思います。
これらの方法を試して、自分だけの展覧会の楽しみ方を見つけましょう。
アートの鑑賞は個々人の感性が大きく関わるものなので、ぜひ自分なりの方法で展覧会を満喫してください。
01. 予習
展覧会を楽しむ上で最も大切で一番効果がある最大最強のコツが「予習」です。
予習をする事で行く前のマインドセットが完了し、いざその展覧会に行った際の理解度に雲泥の差が出ます。
絶対にお勧めのコツの予習ですがどのようにすればよいかをレベルごとに4段階でご紹介いたします。
- Lv. 1: 公式HPで概要チェック
- Lv. 2: 他の解説情報で概要チェック
- Lv. 3: Youtubeで予習動画があるかチェック
- Lv. 4: 関連書籍で学習
まずLv. 1は最低限のマスト条件です。チラシには載せきれない情報も掲載されていますのでこの公式HPをしっかりと読み込んで「何のどんな展覧会で注目作品は何なの?」というのをざっくりとでも頭にインプットしておくことが大切です。
次にLv. 2はそれより一歩進んだ能動的なアクションの予習です。公式HPの紹介とは別角度で展覧会の概要を紹介している情報を探してみるというステージです。
サイトでいうと「美術展ナビ」や「アートアジェンダ」などが有名ですし、弊社のYoutubeチャンネル「掛軸塾」で言うと「月刊日本美術展覧会情報」程度の情報がこのレベルにあたります。より一歩進んだマインドセットが出来ると思います。
Lv. 3は主にYoutubeになると思いますが、その展覧会についてかなり突っ込んだ有料級の情報が出ている場合もありますのでこれをチェックすると予習はほぼ完璧といって良いと思います。もちろんそんな有料級の予習動画が出ていない場合もありますが、「掛軸塾」では注目の日本美術の展覧会に関しては個別に予習動画を作成しているので是非一度チェックしてみてください。
Lv. 4は完全にマスタークラスでご自身で関連書籍を探しがっつり調べ上げてから望むというストロングスタイルのレベルになります。ここまですれば何も臆する事はないでしょう…というかプロ級と言っても過言ではありません。
以上、グラデーションで予習の方法についてご紹介いたしましたがご自身の興味関心の度合いに応じて使い分けて是非実りのある美術鑑賞を楽しんでください。
02. 訪問日時を選ぶ
展覧会をゆっくり鑑賞するためには、混雑を避けることが重要です。
開催日のうち、平日やオフピークの時間帯を狙って訪れることで、ゆったりとした空間で作品に触れることができます。
また、通常は17時までの営業時間が金曜日や土曜日に限り20時までオープンしているという場合もあるので要チェックです。
03. オーディオガイド
オーディオガイドは作品の解説や背景情報を得るための便利なツールです。
これらを利用することで初心者でも簡単に作品やアーティストの魅力に触れることができます。
また、自分では気付かなかった作品の魅力やポイントを発見することができます。
オーディオガイドは個人で聞くことができるので、自分のペースで鑑賞ができます。
04. 全体チェック
展示作品が多い場合、ペース配分を誤ると最後まで作品を見れずに時間切れになってしまうこともあります。
まず会場全体を軽くチェックして、どこにどんな作品を展示しているかを把握しましょう。
その上で自分の制限時間をエリア毎にざっくり割り振って時間配分を決定してから見始めると、時間切れを防ぐことができます。
また、展覧会の作品配置や順序は、アーティストやキュレーターの意図が反映されています。
その意図を汲み取りながら鑑賞することで、作品同士の関連性やテーマの展開をより深く理解することができますのでまず会場全体をざっくりみてその雰囲気をインストールしてから本格鑑賞スタートするとより没入感を味わえるのでお勧めです。
05. メモ
作品を見たその時の発見や気持ちなどをメモすることが大切です。
メモを取る際に「なんで作者はこれ描いたんやろう?どんな気持ちで描いたんやろう?」など作者に思いを馳せながら気づいた部分や推測をメモしていくと、展覧会後にその疑問を調べるのに役立ちます。
携帯でメモを取ることで、たくさんの情報を記録することができます。
メモには「作者、作品名、内容」などを記載しましょう。
会場で基本情報を入力する手間を省くために、展示リストのデータをあらかじめ携帯のメモ帳に貼り付けておくと便利です。
06. 単眼鏡
混雑時などで作品を近くで見れない場合に役立つ秘密道具・単眼鏡を持参しましょう。
これにより、作品の細部まで確認することができます。
07. 表具鑑賞
日本美術の場合はその作品の装丁にも表具師の想いや技術が込められているので、表具の部分もチェックすることで楽しみが倍増します。
どのように作品を引き立てようとしているのかを考えながら見るのも面白いです。
08. 好きな作品ベスト3
好きなランキングをつけようとすると、自分の作品の好みがより明確になってくることがあります。
なぜその作品が他の作品より好きなのかを言語化して考えていくことで、いつの間にか日本美術の自分のこだわりが確立されていくでしょう。
また、ベスト3を決定することで他の人との会話のきっかけにもなりますし、自分自身の美術に対する理解も深まります。
09. 図録
実は展覧会だけではわからない丸秘情報も記載されていることが多い図録があります。
よりがっつりその展覧会や作品のことを知りたいと思った場合、購入を検討されても良いでしょう。
作品を見ながら展覧会の作品を思い出し余韻に浸るのも通な楽しみの一つです。
10. 反応をアウトプット
日本美術を見てきた自分の想いを理解してくれる人がいてこそ楽しさ倍増するものです。
共通の趣味を持つ友人やネット上のコミュニティで感想や意見を共有することで、展覧会へ行く張り合いが出てより楽しむことができます。
また、他の人の意見を聞くことで新たな視点や発見があるかもしれません。
積極的にアウトプットすることで、美術鑑賞の幅も広がります。
そういう意味で弊社の運営するYoutubeチャンネルの「掛軸塾」はお勧めですので是非チャンネル登録をよろしくお願いいたします。
総括
いかがでしたでしょうか?
以上の10のコツを出来る所からでも心掛けて展覧会に臨むことで、きっと美術作品をより深く理解し楽しむことができるようになると思います。
それぞれの作品に対する自分自身の感じ方や解釈、そしてそれを他人と共有することで、美術鑑賞の経験はさらに豊かなものになります。
準備からアウトプットまで、ぜひこれらのコツを活用して美術展覧会をフルに楽しんでください。