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玉虫厨子 まとめ
玉虫厨子は、飛鳥時代に作られた法隆寺所蔵の厨子で、国宝に指定されています。
厨子とは、仏像などの礼拝対象を屋内に安置するための屋根付き工作物であり、玉虫厨子は実際の仏堂建築の外観を模した造りになっています。
この厨子は高さ約2.3メートルで、檜材製ですが、蓮弁を彫り出した部分にのみ樟材を使用しています。全面には漆塗装が施され、扉や羽目板等には朱、黄、緑の顔料を用いた仏教的な絵画が描かれています。
奈良法隆寺に伝わるこの厨子は、7世紀ごろの作と考えられています。
木造で漆塗りのこの厨子は、宮殿の形をしており、四隅に木の角柱が立てられ、須弥座(仏像などを置く壇)と台座の三つの部分から成り立っています。
長押、柱、框などには透彫りされた金銅製金具が付けられており、宮殿部の金具の下に玉虫の羽が張り巡らされていたことから、この名前があります。
玉虫厨子の壁面には木製黒漆塗で、油絵の一種である密陀絵と漆を併用して図様が描かれています。
真ん中の壇の正面には供養図、側面には釈迦生前の故事が描かれ、背面には須弥山図が描かれています。
宮殿部の正面扉には天部像、側面扉には菩薩像が描かれ、背面には神仙世界が描かれています。
玉虫厨子は飛鳥時代の日本の工芸技術を代表する重要な国宝であり、希少な仏画も見る事が出来る美術品です。