金剛力士像:運慶の芸術的精神の体現

東大寺南大門に佇む金剛力士像は、多くの人々に親しまれています。鎌倉時代を代表する仏師、運慶とその流派である慶派によって製作されたこの像は、日本の彫刻史における傑作として知られています。

しかし、この金剛力士像をよく観察すると、その姿には通常とは異なるバランスの特徴が見受けられます。顔が大きく、足が短いといった、いわゆる5頭身の比率です。

 

一見不自然に見えるこの造形は、実は運慶の深い洞察と芸術的な工夫の結果です。

この像は高さが約8メートルあり、観る者は自然と見上げる姿勢になります。通常の人間の比率で作成されていた場合、下から見た際には顔が遠く感じられ、その迫力が伝わりにくくなってしまいます。運慶はこの点を見越し、意図的に足を短くし、顔を大きくすることで、鑑賞者に直接的なインパクトと存在感を伝える工夫を施しました。

東大寺南大門 金剛力士像

このような視点からの彫刻の調整は、当時としては革新的な試みであり、運慶の緻密な計算と芸術への執念を物語っています。金剛力士像は単なる守護像ではなく、観る者に深い感銘を与える芸術作品として、その価値を今に伝えています。

金剛力士像は、運慶の精神性と芸術家としての才能が融合した、日本美術の代表的な作品の一つです。この像からは、運慶の深い考察と芸術に対する献身が感じられ、彼の作品世界への理解を深める鍵となっています。

 

CEO Message

あなたと掛軸との懸け橋になりたい


掛軸は主人が来客に対して季節や行事などに応じて最も相応しいものを飾り、おもてなしをする為の道具です。ゲストは飾られている掛軸を見て主人のおもてなしの気持ちを察して心を動かす。決して直接的な言葉や趣向ではなく、日本人らしく静かにさりげなく相手に対しておもてなしのメッセージをおくり、心をかよわせる日本の伝統文化です。

その場に最もふさわしい芸術品を飾り、凛とした空間をつくりあげる事に美を見出す・・・この独特な文化は世界でも日本だけです。

日本人が誇るべき美意識が詰まった掛軸の文化をこれからも後世に伝えていきたいと我々は考えています。



代表取締役社長
野村 辰二

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会社概要

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商号
株式会社野村美術
代表取締役
野村辰二
本社
〒655-0021
兵庫県神戸市垂水区馬場通7-23
TEL
078-709-6688
FAX
078-705-0172
創業
1973年
設立
1992年
資本金
1,000万円

事業内容

  • 掛軸製造全国卸販売
  • 日本画・洋画・各種額縁の全国販売
  • 掛軸表装・額装の全国対応
  • 芸術家の育成と、それに伴うマネージメント
  • 宣伝広告業務
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