2026年上半期、これだけは絶対に見たい日本美術作品

2026年もスタートしましたが、皆さま今年の美術展めぐりの計画は立てられましたか?

「展覧会が多すぎて、結局どれを観ればいいかわからない。」

そんな方のために、今回は “展覧会”ではなく“作品”を主役に、2026年上半期にこれだけは見逃したくない美術作品を厳選しました。

各作品は、見どころをサクッと押さえたうえで、どの展覧会で見られるかもセットで紹介します。
「今年の美術予定を早めに立てたい」「必見作だけ効率良く押さえたい」方は、ぜひ参考にしてみてください。

伊藤若冲《雌雄鶏図》〜日本初公開!若冲の超レアな「版画」〜

トップバッターは、江戸時代の天才絵師・伊藤若冲です。

伊藤若冲は江戸時代中期に京都で活躍した天才絵師で、いま日本で最も人気のある絵師の一人です。
そして若冲といえば鶏。本作《雌雄鶏図》も、雌雄の鶏がイキイキと表現された若冲らしさ全開の一作です。

若冲といえば、超絶技巧の肉筆画(手描きの絵)が有名ですが、今回ご紹介するのは非常に珍しい「木版画」の作品です。

若冲の版画は、単なる印刷物ではありません。特殊な制作方法で表現された、こだわり抜かれた作品ばかりです。

中でもこの《雌雄鶏図》は、日本初公開となる作品。他に所在が知られておらず、現存する「唯一の版」と考えられている超希少作品です。 若冲ファンならずとも、このレア度は必見です。

【展覧会情報】 「ロックフェラー・コレクション 花鳥版画展」


伊藤若冲《菜蟲譜》&《果蔬図巻》〜夢の共演!2つの野菜図巻を見比べる〜

続いても若冲です。若冲は京都・錦小路の青物問屋に生まれたこともあり、野菜や生き物の観察がとにかく異常に細かい。その“観察の鬼”ぶりが炸裂しているのが絹に描かれたこの2本の巻物です。

絹に描かれた若冲の巻物は、長らく重要文化財の《菜蟲譜(さいちゅうふ)》しか知られていませんでしたが、2023年に同様の巻物《果蔬図巻(かそずかん)》が再発見され話題となりました。 今回は1年間の修復を終えた《果蔬図巻》と、《菜蟲譜》が揃って展示される、またとない機会です。2つの作品は兄弟のような関係。ぜひ現地で見比べてみてください。

【展覧会情報】 「若冲にトリハダ! 野菜もウリ!」


下村観山《弱法師》〜唯一の重文にして最高傑作〜

横山大観らと共に日本美術院を支えた、明治日本画の技巧派・下村観山。

能の演目を題材に描いた《弱法師》は、観山の技術が凝縮された傑作として知られます。

画面いっぱいに咲き乱れる白梅の中、夕日に向かって拝む盲目の法師・弱法師。圧巻なのは、異様なほど精緻な梅の表現です。幹や枝の重なりで奥行きを作り、苔や枝にはたらしこみ(絵具が乾ききる前に別の色や水分を落とし、にじみ・混ざりを“操作”して質感を出す技法)を駆使。一方で花は、伝統的なデザイン性を感じさせる描き方。この写実性×デザイン性の融合が、能の格調高い世界観を成立させています。

【展覧会情報】 「下村観山展」


  • 会場:東京国立近代美術館(東京)
  • 会期:2026年3月17日(火) – 5月10日(日)
  • 公式サイトhttps://art.nikkei.com/kanzan/
  • ※《弱法師》展示期間(前期):3月17日–4月12日
  • <巡回情報>
  • 和歌山県立近代美術館:2026年5月30日–7月20日

狩野山楽・山雪《梅花遊禽図襖》〜唯一の重文にして最高傑作〜

狩野山楽と狩野山雪は戦国末から江戸初期に活躍した師弟。狩野派の歴史の中でも本来もっと知られていて良い実力者でありながら、長らく歴史の陰に埋もれがちだった二人です。しかし近年、その実力が再評価され、人気も高まりつつあります。

妙心寺天球院を飾るこの重要文化財の襖絵は、山雪が主導したと考えられています。 注目は、「力強く蛇行する梅の幹」。 上がって、下がって、また上がる。この独特のうねりは、後に山雪の最高傑作となる《老梅図襖》(メトロポリタン美術館蔵)を予感させる、「山雪イズム」の萌芽です。

【展覧会情報】 「妙心寺 禅の継承」


東山魁夷《夕月》〜静寂の祈り国民的画家の原点〜

「国民的画家」と言われる戦後を代表する日本画家・東山魁夷。

戦後、家族を相次いで亡くし、どん底にいた魁夷が復活のきっかけを掴んだ作品《残照》。この《夕月》は、その《残照》へと繋がる重要な一枚と言われています。 柔らかな色彩で描かれた山並みと、静かに光る細い三日月。迷いの中で希望を探し求めた画家の、神聖な精神世界を感じ取ってください。

【展覧会情報】 昭和100年記念 あの頃は~栖鳳・魁夷・又造らが起こした昭和の風~」


長沢芦雪《龍虎図襖》〜飛び出す迫力!水墨マジシャンの一撃〜

長沢芦雪は18世紀京都で活躍した奇想の絵師。円山応挙門下でも一二を争う実力者でありながら、大胆なデフォルメとエンタメ性を爆発させた“水墨マジシャン”の代表作。

本作のキモは、画面いっぱいに弧を描いて飛び込んでくるジャンピングタイガー
顔は正面、体は横向き――視点の整合性よりも「飛び出すインパクト」を優先しているのに、違和感は意外なほど少ない。このバランス感覚こそ芦雪の凄さです。

虎に目を奪われがちですが、龍の顔面力もとてつもない。襖の前に立つと飲み込まれそうな圧が来ます。

【展覧会情報】 「長沢蘆雪展」


河鍋暁斎《地獄太夫と一休》〜骸骨たちの愉快な宴〜

河鍋暁斎は、幕末から明治にかけて活躍した凄腕“馬鹿テク”絵師。「描けないものはない」とまで言われ、画鬼(がき)と呼ばれたほどの画力を誇ります。

本作は、室町時代の禅僧・一休宗純と、後世「一休ゆかりの遊女」として語られてきた高級遊女・地獄太夫を描いた作品。暁斎が好んだ主題の一つで、本作も代表作級の一幅です。

暁斎の見どころは、骨格理解とデッサン力に裏打ちされたボディバランス、そして徹底したユーモア。

卓越したデッサン力で骨格構造を理解しているからこそ、どんなに変なポーズをとっても生き生きとして見えます。本作でも骸骨が恐ろしく精緻に描かれています。

普通なら不気味な骸骨たちが、三味線まで持ち出して踊り回ることで、画面は一気にお祭りのような賑やかさになります。死や地獄のイメージすら笑いに変えてしまう、この反転感覚こそ暁斎マジックです。

【展覧会情報】 「ゴールドマン・コレクション 河鍋暁斎の世界」


  • 会場:サントリー美術館(東京)
  • 会期:2026年4月22日(水) – 6月21日(日)
  • 公式サイトhttps://kyosai2026.exhibit.jp/
  • <巡回情報>
  • 神戸市立博物館:2026年7月11日–9月23日
  • 静岡会場:2026年10月10日–12月6日

まとめ

いかがでしたでしょうか。 2026年上半期は、日本初公開の作品や、めったに見られない傑作が目白押しです。

特に若冲の《菜蟲譜》、芦雪の《龍虎図襖》、観山の《弱法師》などは展示期間が非常に限られています。 「行ったのに見られなかった!」とならないよう、ぜひこの記事のスケジュールを参考にして、一生モノの感動を体験しに行ってみてください。それでは、良い美術ライフを!

 

 

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あなたと掛軸との懸け橋になりたい


掛軸は主人が来客に対して季節や行事などに応じて最も相応しいものを飾り、おもてなしをする為の道具です。ゲストは飾られている掛軸を見て主人のおもてなしの気持ちを察して心を動かす。決して直接的な言葉や趣向ではなく、日本人らしく静かにさりげなく相手に対しておもてなしのメッセージをおくり、心をかよわせる日本の伝統文化です。

その場に最もふさわしい芸術品を飾り、凛とした空間をつくりあげる事に美を見出す・・・この独特な文化は世界でも日本だけです。

日本人が誇るべき美意識が詰まった掛軸の文化をこれからも後世に伝えていきたいと我々は考えています。



代表取締役社長
野村 辰二

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会社概要

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商号
株式会社野村美術
代表取締役
野村辰二
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1973年
設立
1992年
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事業内容

  • 掛軸製造全国卸販売
  • 日本画・洋画・各種額縁の全国販売
  • 掛軸表装・額装の全国対応
  • 芸術家の育成と、それに伴うマネージメント
  • 宣伝広告業務
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