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桐箱 の蓋が固い原因は桐の特徴による一時的なもの
桐箱 は優れた調湿性、耐火性、防虫性がある為、古来より掛軸の保存に使用されてきました。そんな 桐箱 ですが、お客様からこういった問合せを受けた事があります。
「桐箱を長期間使用していると歪みが発生して開きにくくなるって聞きましたが本当ですか?」
私の経験上で言うと今までお客様からお預かりした古い桐箱が歪んで開きにくかったという経験はあまりありません。中には数百年使用されてきた桐箱をお預かりする事もございますが、どれもスムーズに開きますし閉まります。(破損していて開きにくいのは別)
では何故上記のような事をお客様は耳にされたのでしょう?それには桐の持つ特徴が関係しているかと思います。
桐の特徴
桐は湿度が高くなると水分を吸収し、膨張して桐内部への湿気の侵入を防ぎます。そして乾燥時には水分を吐き出し、元通りになるため、内部は常に一定の湿度を保つことが出来ます。桐箱のこのような特徴から湿度が高く桐が一時的に膨張していた際に、蓋が固いと感じられた方からさっきのような噂が広まったのかもしれませんね。
実際の古い桐箱
通常の環境で使用している分には特に桐箱の蓋が開きにくいという事はありません。
下の写真の桐箱はおよそ100~150年ほど前のものですが特に問題なく開け閉め出来ます。
さらにわかりやすくイメージ出来る様にこちらは動画でその様子をご紹介しております。
いかがでしたでしょうか?
湿気の多い国である日本では、桐箱は古来より美術品の保管に重宝されてきました。掛軸の保管の際には是非ご使用ください。
掛軸の歴史について知りたい方はこちらの動画をどうぞ