ニュース/ブログ
天寿国繍帳 まとめ
天寿国繍帳は、飛鳥時代の7世紀に作られた日本最古の刺繍遺品で、奈良県斑鳩町の中宮寺が所蔵しています。
聖徳太子の死を悼んで、妃の橘大郎女(たちばなのおおいらつめ)によって作られたこの工芸品は、「聖徳太子が往生した天寿国のありさまを刺繍で表した帳」という意味を持ちます。
天寿国繍帳は、阿弥陀如来の住む西方極楽浄土を指すものと考証されています。
制作当初は縦2メートル、横4メートルの帳2枚を横につなげたものであったとされますが、現存するのは断片のみで、縦88.8センチメートル、横82.7センチメートルの額装仕立てです。
繍帳の中には四字ずつの銘文が刺繡されており、当初の繍帳には、400文字が刺繡されていたと推定されています。
銘文には以下の内容が含まれています。
- ・聖徳太子の母と聖徳太子が亡くなった事
- ・太子の生前の言から天寿国に往生しているであろう事
- ・太子の妃の橘大郎女がせめてその国様子を目に見える形にしたいと願って作らせた事
天寿国繍帳は日本の古代仏教美術において果たす重要な役割を果たしています。