月刊日本美術展覧会情報2023年12月編

 

 

国宝 雪松図と能面×能の意匠

日程: 12/8-1/27
エリア: 東京
場所: 三井記念美術館

18世紀の京都画壇で名を馳せた天才画家、円山応挙の代表作「雪松図屏風」が、今年も冬のこの時期に公開されます。円山応挙は、写実的でリアルな描写を重んじた画家であり、その姿勢は当時としては画期的なものでした。特に、この作品において雪の表現は塗り残しの技法を用いています。金砂子をちりばめることで、光の輝きを与えている事にも注目です。

さらに、展示には能面や衣装も加えられておりますので幅広いアート体験が出来るのが魅力です。

 

深堀り! 浮世絵の見方

日程: 12/1-12/24
エリア: 東京
場所: 太田記念美術館

太田記念美術館は、浮世絵に特化した美術館で、今回の展示では、一般的な入門知識から熱心なマニアまで楽しめる、多角的な浮世絵の鑑賞法を提供します。展示は、以下の3つの視点で構成されています。

  • ・北斎の「神奈川沖浪裏」通称グレート・ウェーブの詳細な解説を通して、この有名な作品に隠された意味や技法を深く探ります。
  • ・浮世絵の摺りの違いに焦点を当て、同じ版画であってもロットによる色や形の微妙な変化を見分ける鑑識眼を養います。
  • ・マニアックな知識に焦点を当て、浮世絵の深い世界にさらに踏み込みます。

この展覧会では、浮世絵の表面的な魅力だけでなく、その奥深い世界観や技術的な細部にまで光を当て、来場者がより深い理解を得られるように構成されています。

 

癒しの日本画 ほのぼの若冲 なごみの土牛

日程: 12/2-2/4
エリア: 東京
場所: 山種美術館

疲れた心に癒やしを求める方々にお勧めの展覧会が、山種美術館で開催されます。この美術館は通常、近代以降の日本画を収蔵していることで知られていますが、今回は珍しく江戸時代の絵画も集めた特別展です。

みどころの一つは、独特の可愛らしさで知られる若冲や芦雪の作品群。日本の美術は、世界的に見ても「KAWAII」という独特の美意識を持つ作品が多く、特にゆるキャラがアートとして形になっています。

第二のハイライトは、ふわふわの動物や愛らしい子どもたちが描かれた作品。これらは見る者の心を和ませる効果があります。

そして最後の見どころは、のどかな自然や美しい人物を描いた作品。これらの作品群は、見る者に穏やかな安らぎをもたらします。

この展覧会は、日本美術の持つ独特の癒やしの力を体感する絶好の機会となるでしょう。

 

新版画という創造

日程: 11/18-12/17
エリア: 栃木
場所: 那珂川町馬頭広重美術館

※こちらの展覧会は11月にスタートした展覧会です。

江戸時代を象徴する文化の一つである浮世絵は、明治時代に西洋の印刷技術が日本に流入すると、その需要が低下しました。しかし、この低迷期を打開しようと立ち上がったのが版元・渡辺庄三郎です。彼は関係者を巻き込み、木版画の新たな波となる「新版画運動」を推進しました。この運動によって、川瀬巴水や吉田博といった代表的な作家たちの作品が再び注目を浴びることとなります。

今回の展覧会では、新版画運動によって生まれた多彩な作品を展示し、この文化運動がいかにして浮世絵の新しい時代を切り開いたのかを紹介しています。

 

日本の近代美術と茨城の作家たち 秋から冬へ

日程: 10/21-12/17
エリア: 茨城
場所: 茨城県近代美術館

※こちらの展覧会は10月にスタートした展覧会です。

近代日本画壇を彩る名作が集結した展覧会が、茨城県近代美術館で開催されます。展示の中でも特に注目されるのは、菱田春草の「落葉」と横山大観の「瀟湘八景」です。これらの作品は、西洋画の導入によって変革を迫られた日本美術界の中で、批判や不理解に直面しながらも、独自の歩みを続けた画家たちの努力と才能の証です。

この展覧会では、そうした逆境の中でも価値ある作品を生み出し続けた画家たちの精神性と、彼らが築き上げた日本画の新たな地平を、その目で確かめることができます。美術史に名を残すこれらの作品を通じて、近代日本美術の歴史と進化を感じ取ることができるでしょう。

 

金屏風の祭典 黄金の世界へようこそ

日程: 12/17-6/2
エリア: 神奈川
場所: 岡田美術館

「黄金の国・ジパング」として海外からも注目されていた日本において、「金」は美術作品における重要な素材であり、多くの作品でその輝きが用いられてきました。特に金屏風は、日本美術における最も華やかな表現であり「日本美術の花形」として発展してきました。

今回の展覧会では、この金屏風の豪華で煌びやかな世界に焦点を当てています。訪れる人々をゴールデンワールドへといざない、その圧倒的な美しさと歴史的価値を存分に体感させてくれるでしょう。

 

吉田博木版画の100年

日程: 12/16-1/30
エリア: 静岡
場所: MOA美術館

今回の展覧会は、新版画運動を牽引した版画家、吉田博の魅力に満ちた作品群を紹介しています。彼の作品には一瞬で心を奪われるような魅力があり、特に光の微妙な表現が見どころです。

本展は、吉田博が木版画制作を本格的に開始した大きな転機となった、大正12年の海外旅行から100年を記念して開催されています。100年の時を経ても国内外で愛され続ける彼の木版画約70点が展示されており、その画作の特徴としては、摺の回数の多さが挙げられます。平均で30回、時には100回近く摺を重ねることで、豊かな色彩とともに、博が実際に体感した自然の質感や立体感、空気感を繊細に表現しているのです。

この展覧会では、吉田博の卓越した技術と芸術性を通じて、時を超えた木版画の美しさに触れることができます。

 

京都 細見美術館の名品 ─琳派、若冲、ときめきの日本美術─

日程: 12/23-1/7
エリア: 愛知
場所: JR名古屋タカシマヤ

細見美術館の開館25周年を祝して、大規模巡回展が名古屋で開催されます。この展覧会は2023年に大阪、東京での成功を経て、待望の名古屋開催となります。

展示のハイライトには、葛飾北斎の美人画があります。初期の作品と技術が熟練した時期の作品が展示され、北斎の画業の変遷を垣間見ることができます。また、琳派の名品も特集されており、特に鈴木其一とその息子・守一の作品群は見る者を魅了します。伊藤若冲の作品も幅広く取り上げられており、彼の初期から晩年に至るまでの作品を通じてその画業を辿ることができます。

この展覧会はその質の高さにより時間を忘れて没頭できます。日本美術の粋を集めたこの展覧会は、美術愛好家にとって見逃せないイベントとなるでしょう。

 

浮世絵いろは

日程: 11/18-1/14
エリア: 長野
場所: 信州小布施「北斎館」

※こちらの展覧会は11月にスタートした展覧会です。

葛飾北斎の代表的な絵手本シリーズである「北斎漫画」を中心とした展覧会が開催されています。この作品群は、北斎が画業の中盤期に本格化させたもので、当初は数多くの弟子たちのための通信教育教材として始められました。しかし、作品を重ねるごとに北斎自身の熱意が高まり、自分のアイデアノートのように次々と増刷され、最終的に15編に及ぶ大作となりました。描かれているのはまさにこの世の森羅万象です。

また、「北斎漫画」だけでなく、北斎の他の代表作も多数展示されています。その中には「富嶽三十六景」「諸国瀧廻り」「富嶽百景」「富士越龍図」、さらには祭り屋台の天井絵である「龍」「鳳凰」「男浪」「女浪」など、北斎の幅広い画業を一堂に見ることができる作品群が含まれています。この展覧会は、北斎の多彩な才能と、彼が見せた森羅万象を捉えた独特の世界観を体験する貴重な機会です。

 

決定版! 女性画家たちの大阪

日程: 12/23-2/25
エリア: 大阪
場所: 大阪中之島美術館

大阪画壇が本格的に形成されたのは近代になってからで、その際に特に目立ったのは女性画家の存在です。大阪において、小さな女の子に絵画を含む様々な習い事をさせることが一種の風習や嗜みとされていたため、絵を描く女性が多く育ったのです。この流れは、スーパーカリスマ女性アーティスト・島成園の活躍によってさらに強まり、彼女に憧れを持つ女性画家が増加しました。

今回の展覧会では、そうした大阪の女性作家たちによる多様な作品を鑑賞することができます。これらの作品群は、女性が画壇に与えた影響と、彼女たちが築き上げた独自のアートスタイルを反映しています。大阪の文化的背景と女性画家たちの熱意が生み出したアートを、この機会に存分にお楽しみください。

 

「名画への誘い」心なごむ日本画の世界

日程: 12/1-2/29
エリア: 島根
場所: 足立美術館

島根県にあるこの美術館は、アメリカの庭園雑誌で20年以上にわたりトップの評価を受けている有名な庭園で知られています。美術館では、訪れる人々の心を和ませる日本画を特集した展覧会を開催します。

注目の作品には、竹内栖鳳の「爐邊」があります。この作品は、「動物を描けばその匂いまで描く」と評された竹内栖鳳の動物画で、見る者を魅了します。

また、川端龍子の「愛染」は、紅葉に染まった湖に鴛鴦が円を描くように浮かぶ様子を描いた不思議な世界感へと誘う作品です。

この展覧会を通じて、日本画の豊かな表現力と、それぞれの画家が描く独特の世界観に触れることができるでしょう。

 

山下清展

日程: 12/2-1/21
エリア: 愛媛
場所: 新居浜市美術館

2022年は、山下清の生誕100年にあたり、これを記念して全国各地で巡回展が開催され、各地で大盛況を博しました。これまでの展覧会は以下の通りです。

  • ・鹿児島市立美術館:2022年3月25日~5月5日
  • ・神戸ファッション美術館:2022年6月25日~8月28日
  • ・福井市美術館:2022年9月3日~11月6日
  • ・上田市立美術館:2023年2月25日~4月2日
  • ・佐川美術館:2023年4月8日~6月11日
  • ・SOMPO美術館:2023年6月24日~9月10日
  • ・宮崎県立美術館:2023年10月7日~11月26日

「裸の大将」というドラマで一躍有名になった山下清ですが、アーティストとしての側面は忘れられがちです。この展覧会では、そのアーティストとしての山下清にスポットを当て、より多くの人にその芸術性を再認識してもらうことを目的としています。

展示されているのは貼り絵だけでなく、陶磁器の絵付けやフェルトペンのペン画など、山下清の多岐にわたる作品群です。これらの作品を通じて、山下清の多様な才能と表現力の豊かさを存分に堪能することができるでしょう。

 

 

 

 

CEO Message

あなたと掛軸との懸け橋になりたい


掛軸は主人が来客に対して季節や行事などに応じて最も相応しいものを飾り、おもてなしをする為の道具です。ゲストは飾られている掛軸を見て主人のおもてなしの気持ちを察して心を動かす。決して直接的な言葉や趣向ではなく、日本人らしく静かにさりげなく相手に対しておもてなしのメッセージをおくり、心をかよわせる日本の伝統文化です。

その場に最もふさわしい芸術品を飾り、凛とした空間をつくりあげる事に美を見出す・・・この独特な文化は世界でも日本だけです。

日本人が誇るべき美意識が詰まった掛軸の文化をこれからも後世に伝えていきたいと我々は考えています。



代表取締役社長
野村 辰二

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会社概要

会社概要

商号
株式会社野村美術
代表取締役
野村辰二
本社
〒655-0021
兵庫県神戸市垂水区馬場通7-23
TEL
078-709-6688
FAX
078-705-0172
創業
1973年
設立
1992年
資本金
1,000万円

事業内容

  • 掛軸製造全国卸販売
  • 日本画・洋画・各種額縁の全国販売
  • 掛軸表装・額装の全国対応
  • 芸術家の育成と、それに伴うマネージメント
  • 宣伝広告業務
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