「四季花」とは四季折々の花を描く画題であり、常時掛の画題である。画題としてはそれ程古くなく、現代になってからよく描かれるようになったものと思われる。特に決まりはないが多くは牡丹を中心に四季折々の花を描いているものが多い。
本作品は山崎啓次によって描かれた四季花の作品である。大胆な余白と構図で牡丹、梅、菖蒲、桔梗、南天がリズミカルに描かれている。背景の金泥と墨で描かれた葉は花の気品ある色彩をひきたてている。「たらしこみ」は絵具の比重の違いを利用して自然の滲みを得る日本画の高等技術であるが本作品にも多用されており色彩の微妙な変化を見てとる事が出来、四季折々の楽しみ方が出来る作品である。