毎年の世相を表す「今年の漢字」を揮毫する事から格調ある墨蹟で有名な 清水寺貫主 の 森清範 だが、近年では墨絵を描く事も多い。

本作品では風にたなびく竹の姿が軽やかな筆致で描かれている。竹の節目もしっかりと表現されているところから日常の画技の研鑽をうかがい知る事が出来る。

「絆」の文字は2011年の「今年の漢字」に選ばれた漢字であり、東日本大震災に代表される大規模な災害の経験から家族や仲間など身近でかけがえのない人との「絆」をあらためて感じる事が多かったのが主な選考の理由である。「今年の漢字」シリーズの中でも特に人気が高く、森清範 の揮毫する墨蹟作品の中でも非常に人気が高い漢字である。

暴風でも折れにくい性質を持つ竹の強さの源である節目をしっかりと描く事で「絆」の強さの大切さ、尊さを伝えてようとしているのがとても味わい深い。