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日本画
日本画
今日「日本画」と呼ばれている絵画の歴史は古く、千数百年前に中国大陸や朝鮮半島などを経由して日本にもたらされた。日本画に用いられる絵具は岩絵具と呼ばれる天然の鉱石を粉末状に砕いた顔料に膠を混ぜたもので、その色彩の美しさは日本画の特色のひとつにあげられる。
東アジアの諸国、シルクロードの要衝の地には日本画の源流である絵画が存在し、当時の交易の広さを偲ばせるが、今日ではこの絵画技術を継承しているのはわが国の日本画のみであり、世界的に見ても貴重な絵画である。
そもそも「日本画」という言葉は明治時代に西洋画に対してつくられた言葉である。日本画の概念には伝統的な日本の絵画を総称する意味と、伝統的な日本の絵画技法を継承しつつも西洋画法を取り入れた新様式の絵画を総称する意味とがある。当時の日本の絵画は、流派同士の影響により個々の特色が薄れ、また、西洋画法の導入によりその固有性が問われる時代にあった。日本の伝統的な絵画の存続と新たな発展のために新日本画運動を促進したのは岡倉天心やアーネスト・フランシスコ・フェノロサ、狩野芳崖であった。写生を重視する円山・四条派は西洋画法を受け入れることに大きな抵抗はなかった。これらの活動は今日まで日本画が継承される上で大きな意義があったといえる。
今日においては日本画という言葉は特定の絵画様式を指すものではなく、主に板、麻、絹、紙などの基底材に筆を使用し、墨を用い、顔料を膠で接着させて描く絵画と、広く解釈される場合が多い。
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