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中国のお土産 の掛軸修理: 葡萄 | 上郡町
掛軸は古くは中国から仏教と共に伝わってきたものです。本場の中国に行くと掛軸を飾っている場所を非常によく見かけます。市場のお店で販売している所も多くあり、品質の程度は置いておいて凄い量の掛軸が所狭しと飾られています。私も中国の西安に2018年のゴールデンウィークに行ったのですがその物量に驚きました。(さすが本場だなぁと感心したのも覚えてます。パンダの掛軸とか面白かったなぁ〜)
中国のお土産 掛軸
中国に旅行に行かれてお土産として掛軸を購入される方も非常に多いようです。今回はそんな中国に旅行に行かれた際に購入された掛軸の修理相談を兵庫県上郡町にお住まいのお客様からご依頼いただきました。
ご依頼いただいた修理の掛軸はこちらの葡萄の掛軸です。
表装がいかにも中国っぽいですね。中国の表装の特徴として、一概には言えませんが原色の裂地を使っている場合が多いように思います。軸先も大きく太い物を使用している場合が多いように思います。こちらの掛軸ですが下の軸棒の部分の表装が破れてしまっています。
中国製掛軸の仕立替なのですが、中国は表装の糊が非常に硬く剥がすのに苦労する場合が多くあります。日本の掛軸は再表装する事を前提に作られている為、比較的糊は薄く柔らかい物を使い剥がしやすくしているのですが中国の場合はあまりそういった習慣がないのか非常に硬い糊を使っている場合が多いです。
硬い糊の旧裏打ち紙を除去する場合、通常よりも時間をかけて糊を出来るだけふやかしてめくっていかなければなりません。それでもなかなか剥がれないので少しずつしか剥いでいく事が出来ない為、大変手間がかかります。無理に剥がそうとすると作品まで旧裏打紙にくっついてきてしまい破れてしまうので集中力を持続し続けなければならない大変な作業です。旧裏打紙除去の様子はこちらの動画をご覧ください。
修理完了
今回も随分と時間をかけ、慎重に旧裏打紙を除去し、中国のお土産 の掛軸を仕立替いたしました。
今回は日本の通常使用される大和表装(三段表装、行の行)にて仕立替をいたしました。掛軸の形式についてはこちらのリンクをどうぞ。
お客様のご自宅にお届けするとご夫婦の旅行の思い出の品だったので大変喜んでくださいました。弊社にご依頼くださりありがとうございます。
弊社は遠方のお客様のご自宅でもお伺いすることが可能です。上郡町にお住まいのお客様で中国の掛軸修理のお客様はぜひ弊社までご相談ください。
掛軸の修理修復工程をより詳しくご覧になられたい方は以下の動画で徹底解説しています。全4回に渡る長編の解説付の動画ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。