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ご住職からの書 地域住民とのふれあいの形
最近お若い僧侶の方と知り合う事がありました。その方は元々寺院の家系ではなかったのですが、普段から懇意にしているご住職に懇願され、高校生の時に得度しお坊さんへの道へ進まれたそうです。
「若さもありますが、自分があまり僧侶という重々しい雰囲気を出さないように心がけています。なるべく檀家さんをはじめ、一般の方にも距離を近く感じてもらえるように努力しています。」
とおっしゃられていました。
時代が進み、お寺さんとの交流が少なくなってきている現代ですが少しでも交流を増やしていき色々な価値観を認め合えるような社会にする事が大切だなと思うところがありました。
今回は別のお寺さんのお話ですが、檀家さんと交流されているお寺さんのお話です。
ご住職からの書 を掛軸に
今回はいつも弊社をご利用いただいているたつの市にお住いのお客様からのご紹介で、ご友人のご自宅にお伺いさせていただきました。掛軸に表装したい作品があるとの事だったので車をすっ飛ばしてお伺いしました。しかし…夏は暑いですね、相変わらず(;^_^A
こちらが今回ご相談をいただいた作品です。近所にありいつも懇意にしているお寺の ご住職からの書 のようです。
お話をお伺いするとこのご住職は近所の方とのふれあいを大切にされており、色々な行事などを主催されたりしているそうです。そんなご住職を慕って地域の色々な方がお話をしにお寺を訪れるそうです。素晴らしいですね。
最近は書を練習されておられるそうで、今回はそんなご住職からプレゼントされた大切な書のようです。
書を書いてもらったら是非表装を!
お坊さんの書に限らずですが、書画は表装しない作品だけの状態(業界では「まくり」と言います。)で置いておくと以下のような不具合が起こる可能性が高くなります。
- ・折れやシワが発生しやすく、ひどくなればその部分だけ紙の繊維が弱くなるので破れやすくなる。
- ・ひどい折れやシワになると裏打をしても伸びにくい。
- ・シワの部分に汚れがたまり易くなり、汚損の原因となる。
- ・虫食いなどが発生しやすくなる。
なるべく早めに軸装なり額装なりの表装をすることをお勧めいたします。
ご住職からの書 表装完了
「花開天下春」(はなひらいててんかはるなり)
元々は「一花開天下春」(いっかひらきててんかはるなり)。書道では本作品のように最初の「一」を省く事もある。一輪の花が天下に春の訪れたことを知らしめる、の意。一聴いて十を知る事。一輪の花が世の中のすべての春を作り上げている。すなわち、花一輪の中に天下の春がそのまま収め尽くされているという事で、これを仏教では一多相入という。
「開門落葉多」(もんをひらけばらくようおおし)
もとは「全唐詩」にのせられる唐代の詩僧・無可上人の「秋に従兄の賈島に寄す」と題した詩の中の句。雨音を聴いているうちに、寒い夜更けが過ぎ、夜が明けたので門を開けてみると、あたり一面に葉が落ちていた。一晩中聴いていた雨音は、朝になって見れば実は軒端をたたく落葉の音だったという幽寂な閑居の風情。大橙国師宗峰妙超や白隠禅師の引用した句として知られる。すべてを捨て尽くし、心も身も脱落した爽快な風光。大死一番した後のカラリと開かれた心境。また、平等一如の真理の呈示。
「山樹開紅水流緑」(さんじゅはべにをひらきみずはみどりをながす)
山間の自然は日々刻々と移り変わる。新緑の渓谷もいつしか、濡れんばかりの紅葉となって季節は巡る。一物として変わらざるものはない。諸行は無常である。
それぞれ禅語でお茶席で飾られるという事でしたので茶掛(輪補仕立)にて軸装させていただきました。
お客様の床の間でもさっそく綺麗に飾っていただきました。この度は弊社に軸装のご依頼ありがとうございました。
ご住職からの書 を未表装でそのまま放置されている方は早めの表装をお勧めいたします。ご相談がございましたら是非弊社にご相談ください。
掛軸の歴史について知りたい方はこちらの動画をどうぞ