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巻物製作 のご依頼 | 多可町の寺院より
巻物は掛軸と構造が似ていますが用途が異なります。掛軸は縦に開いていき飾って楽しむのに対して巻物は横に開いていく読み物のような存在です。
巻物には絵巻物のように鑑賞して楽しむものもありますがどちらかというと保存の意味合いの物の方が多いように感じます。
いくつもの作品をつなげば一つにまとめる事が出来、巻いて収納が出来るので保管に便利です。
忍者が持っているイメージも強いですね。
最近では 巻物製作 の依頼も減りましたが今回はそんな 巻物製作 のお話。
江戸時代の作品を 巻物製作
以前掛軸の表装仕立替をさせていただいた兵庫県多可町の寺院からご相談があり、お寺に残された作品を巻物にしたいとの事でした。
こちらがご相談を受けた作品。天明三年(癸卯)とあるので1783年の江戸時代中期〜後期の作品。古いですね〜、さすがお寺さんの所蔵品です。
随分と傷みが進行していますね。虫食いの跡も見受けられます。裏打が既にされているのでそれを剥がさなければなりません。作品の状態が良くないので慎重にめくっていかなければなりません。
旧裏打紙除去、裏打については以下の動画をご参照ください。
巻物製作完了
こちらが完成した巻物です。随分と傷んでいましたが無事に旧裏打紙の除去も行い、完成いたしました。
お客様も喜んで下さり、新たな掛軸表装のご依頼も頂戴いたしました。ありがとうございます。この掛軸表装のお話はまた次回ご紹介させていただきます。
巻物製作 のご相談がありましたら是非弊社までご相談下さい。
掛軸の歴史について知りたい方はこちらの動画をどうぞ