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本金糸 蓮華柄 の裂地で西国三十三ヶ所の掛軸表装依頼 | 姫路市
本金糸 について
掛軸の表装をする裂地の中で金糸(きんし)を使用している裂地を金襴と言います。この金糸で紋様を織り上げているので普通の緞子と見比べると違いがよくわかります。
この使用する金糸の種類によって金襴のグレードは一般的に変わってきます。金糸の種類や呼び名は業者によってさまざまあるので一様に比較できないですが一番最上級のランクにある種類だけは共通しています。
それが 本金糸 (ほんきんし)と呼ばれる金糸を使用して織り上げている金襴です。表具業界では一般に 本金糸 を使用して織り上げている金襴裂地の事を「本金」(ほんきん)と略して呼びます。
この本金糸とは一般に絹糸に本金の箔を蒸着させる物のようですが、その蒸着させる本金箔の純度によって同じ本金糸と言っても色々種類があるようです。本金糸と言ったら何となくイメージとしては100%本金箔を使ってそうなイメージですが、強度などの面で製造するのが不可能なようで銀などを混ぜて作り上げる事が一般的なようです。
純度の違いによって輝きや性質が異なってくるので当然価格も変わってくるのですが、本金糸で織り上げた金襴という裂地は他の金襴と一線を画する扱いになります。
一度、裂地の製造元に本金糸についてお伺いしたことがあるのですが、その製造方法や蒸着の仕方などについてもかなり色々な方法があるようで正直に申し上げると本金糸を作った経験がない人間が聞いても想像出来ないといった内容でした…伝統工芸業界はさすがに奥が深いです( ゚Д゚)
まぁ本金糸を使った金襴は高級品という事だけご理解いただければと思います。
今回はそんな本金糸を使用して織られた蓮華柄の裂地にて西国三十三ヶ所の掛軸表装のご依頼を姫路市にお住いのお客様より承りました。
姫路市のお客様より西国三十三ヶ所納経軸の掛軸表装依頼
蓮華柄というのは昔から仏用の裂地として一番ポピュラーに使用されてきた裂地です。蓮は泥の中でも綺麗な花を咲かせるので、それが煩悩の中でも悟りを開く事が出来るイメージに似ているという事で仏教のシンボルとして昔から使われてきた為です。
一番ポピュラーなこの蓮華柄の裂地は様々な金糸の種類で織られた物が多く、価格もピンからキリまであるのが実情です。その中で本金襴の蓮華柄というのが蓮華柄の裂地の中で最高級品として今でも人気があります。本金襴の蓮華の裂地はやはり輝きが他の金糸の金襴とは全然異なります。
今回はお客様とそのお友達のお二人分の西国三十三ヶ所の納経軸を弊社の仏表装パターンNO. 12の本金蓮華でお仕立てさせていただきました。
輝きが凄すぎて写真ではなかなかその豪華さが伝わらないのが残念(泣)今後の撮影技術の向上にご期待ください。
拡大すると本金糸の輝きを確認出来ますね。
こちらがお友達の方の西国三十三ヶ所の掛軸です。同じ観音図の納経軸ですが、集印の字が少しずつ違うのも面白いですね。
お二人とも本金の輝きにとてもご満足されておられました。今後は四国八十八ヶ所にも挑戦されるそうです。
本金糸 の蓮華柄の裂地で掛軸表装をご希望の方は是非弊社までご相談ください。
西国三十三ヶ所の納経軸を掛軸に表装する工程はこちらの動画で詳しくご紹介しておりますのでよろしかったらご覧ください。