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猿田彦 の掛軸修理
日本神話に登場する様々な神様を描いた掛軸というのは古来より数多く存在しています。傷んでしまって修理のご相談に持ってこられる方も多いのですがその際に色々な神様の絵を拝見できるのも楽しみのひとつです。
今回はそんな日本神話に登場する 猿田彦 神の掛軸修理のご相談を頂戴いたしました。
猿田彦は日本の神話の中でちょうど天孫降臨の場面で登場する地上の神様。天照皇大神の孫であるニニギ(瓊瓊杵)が天界から地上の高千穂に降り立った時に道案内をした地上の神様が 猿田彦 です。神様を道案内した事から「導きの神、道開きの神」として崇められ「商売繁盛、交通安全」などのご利益がある神様としても人気です。
何故か天狗のような風貌で神話では登場するので、一目で「あ~、猿田彦の絵ですね」とわかるのも面白いです。
今回修理のご依頼をいただいた作品ですが全体にきつい折れジワが発生してしまっています。
衣装には白い絵具(胡粉)が使用されていますが、仕立替をすると剥落してしまいやすい絵具なのでしっかりと定着させてから仕立替をする必要があります。また衣装の赤色の部分も色落ちしやすいのでしっかりと色止めを行ってから作業に入ります。
猿田彦 掛軸修理完了
酷かった折れジワも仕立替をする事により綺麗に修復されました。色落ちや剥落もなく汚れも随分と除去出来ました。猿田彦 の男前具合も上がったかなとちょっと嬉しく感じます(笑)
折れジワなどで傷んだ掛軸の修理相談がございましたら遠慮なしに弊社の方にご相談ください。(あまりに折れが激しい場合は太巻を使用される事をお勧めいたします。)