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表装修理修復: 掛軸、 額のシミ抜き | 豊岡市 (後半)
額のシミ抜き 依頼
先週豊岡市で掛軸と 額のシミ抜き の依頼を受けた話の前半として掛軸の修理のご紹介をさせていただきました。今回は後半で 額のシミ抜き 2点についてご紹介させていただきます。前回の記事はこちらです。
こちらが今回ご紹介させていただく額装2点です。どちらもシミや汚れが発生していますが特に下の方はひどいシミですね。
破れや穴などの損傷も所々ある状態で補彩が必要になってきます。
額のシミ抜き を行う前にまずは旧裏打紙を除去していきます。額装の場合は大抵は肌裏打のみなので一枚だけ旧裏打紙を除去していきます。
「和」の旧裏打紙は割合簡単に除去する事が出来たのですがもう片方の額はかなり除去するのが難しかったです。手こずりました(-_-;)なかなか糊が硬い上に本紙が弱っているので破らないようにめくるのが大変でした。
「和」の墨に含まれていた膠が弱っていたので旧裏打紙に文字の痕が付いていました。こういう場合があるので必ず表具前には色止めを行わなければなりません。膠が弱っている状態の墨に水をかけると滲みや色流れが発生する場合があるので注意が必要です。
まずは洗浄を行ってからシミ抜きを行いますが、作品の状態が弱っているのであまり長時間強い薬剤を使用する事は控えなければなりません。この辺はバランスは経験で判断します。
仕立替完了
額のシミ汚れも随分と綺麗になりました。作品が随分と弱っていたのでこのレベルまでが限界かなという所でストップいたしました。下の額装は損傷も多かったので補彩も含めて完了いたしました。前回の掛軸も含めて3点納品に伺いさせていただき大変喜んでいただけ何よりでした。
掛軸、 額のシミ抜き などでお悩みの方は是非弊社にご相談ください。
掛軸のシミ抜きに関してより詳しく以下の動画で解説しておりますので宜しかったらご覧ください。
和額の種類についてはこちらの動画で解説しておりますのでよろしかったらご覧ください。