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コロナ禍にオーストラリアから素敵なお客様!?
2020年に発生したコロナウイルスの猛威が未だ収まらない日々が続いており、海外からのお客様もパッタリと途絶えてしまった弊社ですが、なんと最近オーストラリアから掛軸を買いにお客様が来てくださいました。
今回はそんな久々の海外のお客様のお話をご紹介させていただきます。
お客様が弊社を訪れたのは2021年の12月。(紹介が遅くなってすいません…(汗))
弊社は神戸の郊外からは離れている垂水という所に立地しており、なおかつ駅からも若干離れている住宅地にある為、お客様はタクシーを利用されて弊社に来られました。
ただそれでも本当に弊社かどうか不安だったようで、開口一番
「ここって野村美術であっている?」
と心配されてました(汗)
お話をお聞きするとオーストラリアから所用で奥様と来日され、大阪に長期滞在されているそうです。
掛軸を販売しているお店を探している中で、弊社を発見し、今回はご主人様一人で来店されました。
こちらが今回お越しくださったRaqibさんです。
ご要望をお聞きすると本紙に何も書かれていない白無地の掛軸と何か日本の伝統的な画題の掛軸が欲しいとの事でした。
結構弊社のHPを熟読してきてくださっていたのでスムーズにコミュニケーションをとる事が出来ました。
無地掛軸に関してはこちらの記事もご参照ください。
自分でお好きな文字や絵を書くことが出来、オーダーメイドで掛軸表装するよりも安価で便利な為、書道をされている海外の方に人気の商品です。
Raqibさんご自身もアラビア書道をしてみたいとのことだったので弊社にある無地掛軸をご紹介させていただきました。
しかし日本の書道は通常縦に書いていくのに比べて、アラビア文字は右から左に横に書いていくスタイルの為、横長の無地掛軸が必要だったのですがあいにく在庫はありませんでした。
そこでご自身で和紙にアラビア文字を書かれた後に、弊社に作品をお送りいただき、その作品にあわせてオーダーメイドで掛軸表装をする事をご提案させていただきました。
無地掛軸は既に掛軸になっている状態に作品を書けるので便利で安価なのですが、作品を書く際に失敗が許されない事や表装のスタイルを自分で選べない事、そして今回のようにご希望の大きさがない事などがあるので、今回ご提案したように作品を仕上げた後、我々のような表具師と相談をして1点1点オーダーメイドで仕上げていくのが通常の流れです。
お客様もご提案を了承してくださりました。
掛軸は巻いて保管する為、厚みのある和紙の作品を表装した場合、巻くと折れが作品に発生してしまいます。その為、薄い和紙に書いていただかなければいけないのですが、日本人が思う紙の薄さと海外のお客様の思う薄さではかなりズレがあるというのをこれまでの経験で我々は知っていたので、数枚書道用の和紙をサンプルとしてお渡しさせていただきました。このサンプルが役立てば嬉しく思います。
次に日本的な画題の掛軸に話は移りました。
日本的な画題…なんやろう。。。(‘Д’)ポカーン
日本に住んでいるといざ聞かれてみると結構迷う物ですね…(笑)
しっかりとヒアリングさせていただき、水墨山水や富士、桜など日本の美意識をよく表現している物をご提案させていただきました。ひとつだけあった条件が横物(横長)の掛軸が良いとの事でした。
いくつかの掛軸をご提案させていただき、奥様と電話でご相談された後、こちらの掛軸をご購入される事になりました。
また、掛軸を飾る時の便利アイテムである「矢筈」も購入されました。
矢筈はご存じない方も多い地味なアイテムですが、弊社にお越しになり実際にご覧になられたお客様には大変好評です。掛軸の掛け替えをする際のマストアイテムです。
掛軸の取り扱い方に関してはこちらの動画をご参照ください。
コロナの影響で弊社への海外からのお客様が減っている中、こうしてRaqibさんが来てくださり大変嬉しく思います。
奥様と京都に行った際、とても素敵な傘を手に入れられたとおうかがいしました。その傘とともに今回お買い上げ下さった桜の掛軸が日本の良い思い出となれば幸いです。
またご自身で書かれたアラビア文字の作品もいつか弊社で表装できる日を楽しみにしております。
弊社は日本の伝統芸術である掛軸の魅力を日本の方のみならず海外の方にも知っていただきたいと思い活動しております。何かご相談などがございましたら遠慮なしにお問い合わせください。