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「疫神斎」の洋紙の御札が掛軸へ: 特殊な表装技術が光る
以前、茶掛の修理をご依頼いただいたお客様から再び弊社にお仕事のご依頼をいただきました。
お客様は修理した掛軸を茶会で披露した際、その出来栄えを大変気に入ってくださったそうです。
以前の記事はこちら。
「疫神斎」のお札を掛軸に
今回のご依頼は、「疫神斎」と記された小さなお札を使い、掛軸を作成してほしいというものでした。
「疫神斎」とは、疫病や災厄をもたらすと考えられている悪神を鎮めるための神事のことだそうです。
お客様はこのお札を大切にされており、掛軸として飾ることで、より一層その力を感じたいとお考えになったのでしょう。
掛軸の形状についての打ち合わせ
お客様とどのような掛軸の形にするのが良いか、打ち合わせを行いました。
お札が小さいため、そのまま掛軸に表装すると、非常に小さな掛軸になってしまい、床の間では飾ることができません。
そこで、お札を台紙に貼り付け、本紙を大きくして通常の掛軸のサイズになるように表装することを提案しました。
お客様はこの提案を快諾してくださいました。
また、裂地についても打ち合わせを行い、お客様のご希望の裂地が決まりました。
洋紙のお札への特殊な表装
今回のお札は和紙ではなく洋紙であったため、通常の表装方法では仕上がりが硬くなり、巻くと掛軸が折れてしまうという不具合が発生する可能性がありました。
そこで、特殊な方法で調整を繰り返しながら掛軸に仕立てることにしました。
お客様の喜びの声
こちらが仕上がった掛軸です。小さいお札も台紙貼りを行う事で床の間に掛軸として飾る事が出来ます。表装の色合いもコントラストが効いていて格好良いですね。
仕上がった掛軸をお客様にご覧いただき、大変喜んでいただけました。
お客様の喜びの声を聞き、私たちも大変嬉しく感じました。
まとめ
掛軸は、日本の伝統文化であり、お客様の想いを形にする大切な役割を担っています。
今回のような特殊なご依頼にも、お客様のご要望に寄り添い、最善の形で応えることが、私たちの大切な役目だと感じています。
今後も、伝統の技を大切にし、掛軸に新しい命を吹き込むお手伝いをさせていただきます。
掛軸に関するお悩みのある方は、ぜひお気軽にご相談ください。