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神戸市長田区の日蓮宗寺院様からのご依頼 – お題目掛軸の表装
1. 依頼
神戸市長田区にある日蓮宗の寺院様よりお題目の掛軸表装のご依頼をいただきました。
こちらのお寺のご住職様は以前から弊社をご愛顧くださっており、過去にも何度も表装のご依頼をいただいております。
以前のご依頼についての記事はこちらからご覧いただけます。
今回は「南無妙法蓮華経」と書かれたお題目の作品を掛軸として仕立ててほしいというご要望でした。
さらにこの掛軸は檀家様への贈り物として活用されるとのことで、格式のある仕立てが求められました。
2. 作品の状態と表装のご要望
ご依頼いただいた作品には若干のシミが発生している状態でした。
ただし、シミの程度はそれほど深刻ではなく、比較的簡単なシミ抜き作業で対応できる見込みでした。
表装の仕様についてはすべて弊社に一任いただきました。
ご住職様からは「作品にふさわしい格式のある表装に仕上げてほしい」とのご要望をいただいており、慎重に仕立ての方向性を検討しました。
3. シミ抜きの工程
作品の保存状態を確認し、慎重にシミ抜きを行いました。
シミが紙の奥深くまで浸透していなかったため、比較的短時間で処理を完了することができました。
シミ抜きの際には作品の紙質や墨の状態を見極めながら、最適な処置を施します。
今回の作品は幸いにもダメージが少なかったため、必要最低限の処理で美しい状態に戻すことができました。
シミ抜きに関して詳しく知りたい方はこちらの動画をどうぞ。
4. 表装の仕立て – 真の行の仕立て
仕立ての仕様については、仏教掛軸にふさわしい「真の行」の表装を採用しました。
「真の行」は格式のある仕立てで、特に仏教関連の掛軸においてよく用いられる形式です。
裂地の選定においては、お題目の力強い筆致を引き立てつつ、全体に落ち着いた雰囲気を持たせることを意識しました。
外廻し、中廻し、一文字と品格のある裂地の組み合わせにより、格調高い掛軸に仕上げました。
5. まとめ – 仕上がった掛軸の完成とご住職の反応
仕上がった掛軸を納品させていただきました。
作品の美しさが引き立つ仕立てにご満足いただきました。
長年にわたり弊社の表装を信頼してくださるお客様に、今回もご満足いただけたことは大変光栄です。
今後も掛軸表装の技術を磨き、皆様の大切な作品をより良い形で後世に残していけるよう努めてまいります。
今回のご依頼のようにお寺様や個人の方からの掛軸表装のご相談を随時受け付けております。
作品の状態に応じた最適なご提案をさせていただきますのでお気軽にご相談ください。